
その動きを初めて見ると驚かずにはいられない。実際の動画を見ればその感動がおわかりいただけるだろう。
なぜ壁を垂直に移動したり、テーブルの裏を落下せずに走行したりできるのか? それはボディ底部から掃除機のように空気を吸い込むことで壁面に吸着し、空気を吸い付けながら走っているから。
吸引力が強すぎると走らないし、弱すぎると落ちてしまうわけだが、この吸引力と走行性のバランスがこの未体験の走りを実現しているのである。
この新感覚のラジコンカーについて、販売元のタカラトミーはどのように捉えているのだろうか?
「普通のラジコンは、速く走らせたり、カスタマイズしたりという喜びがありますが、エアロスパイダーは、まずビックリするというバラエティーグッズの要素があります。大体、壁がレース場になるなんて考えられないじゃないですか。自分が驚くだけではなく、他の人にも見せたくなるというワクワク感を共有できる商品です」(同社 ボーイズトイチーム 石橋紀幸氏)
販売面でも期待値は高い。社団法人日本玩具協会の発表によると、ラジコン玩具が含まれる「男児玩具カテゴリー」の昨年度総売上高は約500億円。その中で「エアロスパイダー」の今期販売目標は、実質6ヵ月にも拘らず25万個だという。同社の大ヒット商品である「ヘリQ」の販売数が約1年で50万台なので、かなり強気な数字といえるだろう。