販売台数72%増でも儲けは少ない 薄型テレビ「エコポイント特需」の死角

 5月15日から始まったエコポイント制度で、薄型テレビ市場がにわかに活性化している。調査会社BCNによれば、制度施行直後の5月18~24日の週には、前年同期比で72%も販売台数が伸び、翌週は47%、翌々週が61%と引き続き好調だ。まさに“エコポイント特需”である。

エコポイント制度とは、一定の省エネ性能を満たす地上デジタル放送対応テレビやエアコン、冷蔵庫を購入すると、製品に応じて1点1円相当のエコポイントが付与される仕組みだになっている。

 薄型テレビのポイント付与率は実勢価格の10%前後で、たとえば、16万円するシャープの40インチの液晶テレビを家電量販店で購入する場合、2万3000点のエコポイントがつく。さらに家電量販店のポイント還元が20%(3万2000円分)つくとすると、合計で5万5000円、約34%の実質的な割引となる。消費者が飛びつくのも無理はない。

 5月の販売台数は前年同月比で43%増と、過去3年で最大の伸びを記録しており、このままの調子でいけば、「台数ベースで昨年のオリンピック需要を超えるのは確実」(道越一郎・BCNアナリスト)と見られている。

 絶好調にみえる薄型テレビ市場だが、手放しで喜んでばかりもいられない。先述したように、台数ベースでは大きく伸びてオリンピック需要を上回るものの、金額ベースでは昨年の水準に達するかどうか微妙な情勢となっている。平均単価の下落に歯止めが掛かっていないのだ。BCNによれば、売れ筋の26~32インチや46インチ以上の大画面テレビで、この1年で平均単価が18%も下落している。

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