「ノミニケーション」などと言われたのは、とうの昔。実際、購買支援サイト大手カカクコムが行なった昨年の調査(回答者6672人)によれば、お酒を「飲まない」と回答した人は、60歳以上では4.3%なのに対し、50代7.0%、40代9.1%、30代10.1%と徐々に増え、20代では13.7%もいるという。
お酒を飲む人でも、「毎日飲む」は、60歳以上53.4%、50代48.4%、40代38.0%、30代31.2%に対し、20代は14.3%と極端に少なくなる。確かに、若手ほど飲まないという傾向はあるようだ。
若い世代の旅行離れやクルマ離れに次ぐ“酒離れ”に加え、不況による飲酒機会の減少、健康志向の高まりによる飲酒抑制などの影響もあり、酒類市場は年々縮小する一方だ。
矢野経済研究所が昨年発表したデータによると、同市場は2006年度に4兆円割れし、07年度は3兆9100億円となり、09年度はさらに1000億円減ると予測されている。糖質オフや糖質ゼロといった発泡酒や、新ジャンルなどが健闘しているものの、全体では酒類の減少に歯止めがかからない状況だ。
ただし、そんな市場で気を吐いているジャンルもある。それが「リキュール市場」だ。代表格は梅酒である。
2004年に焼酎ブームが一段落した頃から活況となり、毎年1割程度の市場拡大が続いた。09年も対前年比約10%増の見込みで、04年に比べて1.8倍、800億円を超える市場となっている。