健康な精子は健康な食に宿る!?日本では成分表示の議論中 トランス脂肪酸

 どうやら健康な食事は健康な精子をつくるらしい。米国、スペインの共同研究報告によると、18~22歳の健康な男性188人の食生活を調査した結果、魚、野菜、全粒穀物中心の食事を心がけている男性は、赤身肉、精製穀物中心の食生活の男性より、精子の運動能力が勝ることがわかった。これとは別に春先に報告された研究では、揚げ物や加工食品に含まれる「トランス脂肪酸」摂取過多の男性は、精液中の精子濃度が摂取量の少ない男性の6割程度であることが示されている。生殖機能に直結するかは不明だが、男性不妊の8割は精子の運動能力が低い「精子無力症」や「精子減少症」などの精子異常が原因なのは事実。自分にはもう関係ないと苦笑せず、次世代のために真剣に憂慮してほしい。

 ただ、トランス脂肪酸といわれてもピンとこないだろう。トランス脂肪酸は別名「狂った油」と呼ばれるほど悪辣ぶりが知られる加工油脂で、代表はスナック菓子の製造に使われるショートニング。サクッと好食感に仕上がるうえに安価なので、ファストフード店やコンビニ食の揚げ物油にもよく使われている。その一方、摂取過多で動脈硬化を促進、心筋梗塞や認知症発症リスクを増強するのは有名な話。精子無力症どころではないのだ。世界保健機関は2003年、摂取量を総カロリーの1%未満にするよう勧告を出した。

 欧米では勧告以降、危険性が一般にも周知され、一部の国や地域では使用制限、禁止措置も取られている。米国では06年より加工食品や栄養補助食品1食当たりの成分表示が義務づけられた。日本では栄養成分表示の義務化議論のなかで検討されている段階だ。

 はっきりいうと、現代人がトランス脂肪酸をゼロにするのは不可能に近い。「ウチメシ」用の食用油や惣菜にもトランス脂肪酸が入り込んでいるからだ。自衛手段としては脂質全体を抑え、ファストフードや加工食品を意識的に控えるしかない。ちなみに消費者庁の栄養成分検討会報告書(2011年8月23日付)には「男性の栄養表示活用状況は(女性に比べ)低い」との一節がある。さて、皆様の関心度はいかがでしょうか。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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