議員年金廃止で公費激増に異議 一市長が起こした反乱の顛末

 たった1人の反乱に終止符が打たれることになりそうだ。地方議員年金制度の廃止に伴う自治体負担金の増額をめぐる、群馬県のある市長の異議申し立てである。

 議員特権として批判を浴びていた地方議員年金制度が昨年5月末で廃止となった。しかし、その裏側にとんでもないからくりが隠されていた。自治体負担金の激増という、巨額の税金投入だ。

 年金廃止とはいうものの、受給している退職議員の年金額や、受給資格を持つ現職議員の将来年金額がカットされたりするわけではない。廃止の実態は、新たな受給資格者をつくらず、自然減を待つものだった。

 さらに問題なのは、廃止により議員の掛け金支払いはなくなる代わりに、年金給付の費用などが全額(共済会の積立金を除く)、自治体負担となる点だ。国(総務省)の試算では、公費負担は約60年間続き、負担総額は約1兆1400億~1兆3600億円にも上るという。

 議員年金を廃止する法案が閣議決定されたのは、東日本大震災に見舞われたその日。廃止の裏側でこれほどの税金が投入され続けることを知らされていただろうか。

 廃止直後は増加分の支払いに難色を示す自治体が相次いだが、今もなお支払い拒否を続けるのは、群馬県安中市のみ。市議会議員共済会から2度にわたって督促を受け、今年2月に提訴された。それでも安中市の岡田義弘市長は「国会は納税者への説明責任を果たさぬまま法改正した。議員年金の財源が不足ならば給付カットすべきで、全額公費にしたのは納得がいかない」と、譲らない。

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