既婚の男性と冠動脈バイパス手術と生存率ランキング 結婚はハートにいい!?

 2月4日、冠動脈バイパス手術を受け、東大病院に入院されていた天皇陛下が退院された。術後2週間、人工心肺装置を使わない「オフポンプ手術」の標準的な入院期間で、経過は順調のようだ。後はじっくりリハビリに取り組んでいただければと思う。

 冠動脈バイパス手術に限らず「生命」に直結する臓器──心臓にメスを入れる事態は心身に大きな負担を強いる。術前もだが、痛みや社会復帰への期待と不安に翻弄される術後も一筋縄ではいかない。そんなとき、何が支えになるだろうか。

 アメリカ心理学会に興味深いデータが報告されたのは昨年8月。冠動脈バイパス手術を受けた225人を15年にわたって追跡した結果、幸福な家庭生活を送っている既婚者は、未婚者より冠動脈バイパス手術後の生存率が高いという。その差はなんと2.5倍。「未婚」は喫煙や肥満、高血圧などよりはるかに強力なリスクファクターになるのだ。

 さて、ヘルスケア領域では婚姻メリットを享受するのはいつの世も「男性」、というのが各国共通の常識。実際、既婚男性は未婚男性よりがん発症リスクは低いし、心血管死や脳卒中死亡リスクも低い。結婚生活に満足しているとリスクがもっと低くなる。同報告でも「満足度の高い」結婚生活を送っている男性は「満足度が低い」男性より2.7倍生存率が高かった。一方の女性はというと、「満足」の有無で3.9倍もの差がついた。女性が婚姻メリットを受けるには深い関係性が必須であるのに、男性は基本的に「結婚」の2文字だけでご利益があるらしい。

 心臓手術はよほどのことがない限り患者から願い出ることはまれ。ほとんど主治医の判断で手術の必要性や時期が決定される。ある意味で「受け身」の手術なのだ。それだけに、術後の回復の具体的なイメージが湧かず、途方に暮れることが多い。しかし、気がつけば傍らに回復を自分のことのように喜ぶパートナーと、2人で歩む生活がある。その存在は「親身のサポートとともに、生きたいという動機を与えてくれる」と研究者は結んでいる。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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