「教育」の本質は「格差拡大装置」。 「教育は無条件に素晴らしい」という強迫観念をそろそろ見直すべき 【橘玲の日々刻々】

       

 実際、部落出身者であるかどうかにかかわらず、若者たちの語りはとてもよく似ている。彼ら/彼女たちは「ホカチュウ」と呼ばれる他の中学の友だちとも積極的に交遊しており、そこに「部落出身」という意識は見られない。筆者たちが指摘するように、この本に登場するのはごくふつうの若者たちで、「ムラ」(多くの部落出身者は自分が居住する部落をこう呼ぶ)のネットワークによって、通常は大人が関係をつくることが難しい「軽学歴フリーター」へのインタビューが可能になったということだろう。

自らの「意思」でドロップアウトしていく若者たち

「遊びと不平等の再生産」(第3章)で社会学者の西田芳正氏は、「親によるコントロールの機能不全」について述べている。

 家庭について訊くと、「「勉強ってあんまり言われへんかった」「しつけ? あまり言われない。覚えていない」という言葉が返ってくることから、西田氏は当初、親によるコントロールの欠如=放任主義が若者たちを遊びの世界に向かわせるのではないかと考えていた。だが、地域の親や若者たちの状況をよく知る女性から指摘を受けて、こうした解釈は修正を迫られることになる。

 地域の世話役的なその女性は、西田氏にこう説明した。

(「あの親もこの親も」という形で対象者となった家庭を例示して)みんな「うるさい」ていうか、「やいやい」言う親やねんで。聞いてないねんやん、子ども達が。で、守らへんもん、家庭のルールなんて守らへんし。お母ちゃんの言うことなんか全然聞いてないもん。(略)何でそう言うんやっていう説明も親が子どもにしてないから、同じやねん。言っても言っても繰り返しで、別にどうってことないもん。」

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2019年5月9日の経済記事

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