大阪や京都などを中心に、ファミリーレストランなどの飲食店を展開している株式会社フレンドリーが、「優待食事券」の株主優待を廃止することを、2020年5月22日の15時に発表した。

 フレンドリーの株主優待は、これまで毎年9月末と3月末時点の株主を対象に実施されており、内容は「100株以上を保有する株主に、保有株数に応じて、自社店舗で利用できる『優待食事券』を年2回贈呈」というのものだった。

 しかし、この株主優待は2020年3月末の実施を最後に廃止となる。

 フレンドリーが株主優待を廃止する理由は「今般の新型コロナウイルス感染症拡大等による大幅な経営環境の変化もふまえ、聖域なきコスト等の見直しを行ったことと、株主の皆様への公平な利益還元のあり方という観点から、当該株主優待制度につきまして、慎重に検討を重ねました結果、株主優待制度を廃止することといたしました」とのことだ。

 また、フレンドリーは当初は2020年5月8日に予定していた2020年3月期の決算発表を5月25日に延期したものの、6月12日に再延期することも同時に発表。ちなみに、延期の理由は新型コロナウイルス感染拡大、それに伴う緊急事態宣言の発令に加えて、「新たに減損処理の検討の必要性が発生」していることも関係しているので、決算発表には注意しておいたほうがよさそうだ。なお、フレンドリーは期初から2020年3月期の配当を「無配」と予想していた。
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廃止されるフレンドリーの株主優待制度の詳細と利回りは? ◆廃止されるフレンドリーの株主優待制度の詳細 基準日 保有株式数 株主優待内容 9月末・3月末 100株以上 優待食事券(500円分)10枚×年2回 200株以上 優待食事券(500円分)20枚×年2回 500株以上 優待食事券(500円分)30枚×年2回

 フレンドリーの2020年5月22日時点の株価(終値)は1446円なので、株主優待が廃止されなければ、利回りは以下のようになっていた(※株主優待は年2回、受け取ったものと仮定)。

(100株保有の場合)
投資金額:100株×1446円=14万4600円
優待品:優待食事券1万円分
優待利回り=1万円÷14万4600円×100=6.91%

(200株保有の場合)
投資金額:200株×1446円=28万9200円
優待品:優待食事券2万円分
優待利回り=2万円÷28万9200円×100=6.91%

(500株保有の場合)
投資金額:500株×1446円=72万3000円
優待品:優待食事券3万円分
優待利回り=3万円÷72万3000円×100=4.14%

 フレンドリーの株主優待は、自社が運営する飲食店「フレンドリー」「源ぺい」「マルヤス水軍」「香の川製麺」「つくしんぼう」「なじみ野」「ゴッツ。」で利用できる「優待食事券」だったが、廃止が決定された。株主優待利回りは100株保有時と200株保有時で6.91%もあったので、この廃止に失望している個人投資家も多いだろう。

 フレンドリーは大阪府に本社を置き、近畿圏で多様な飲食店を展開する企業。前述のように2020年3月期の決算発表を二度にわたって延期しており、現時点では6月12日の発表を予定。参考までに、2月7日時点で公表している2020年3月期の業績予想を紹介すると、売上高72億1700万円(前期比5.0%増)、営業利益3億3300万円の赤字、経常利益3億2400万円の赤字、当期純利益3億5000万円の赤字。

 なお、フレンドリーが5月22日に開示した「2020年3月期決算発表の再延期に関するお知らせ」によると、「2020年3月期決算への影響は現在精査中でありますが、現在の業績予想は新型コロナウイルスの影響を想定しておらず乖離が見込まれます。

また、新たに減損処理の検討の必要性が発生しており、他の要因も含めまして、開示すべき事項が判明次第、速やかにお知らせいたします」とのことで、前回予想を大幅に下方修正する可能性も高くなっている。

■フレンドリー業種コード市場権利確定月小売業8209東証2部9月末・3月末株価(終値)必要株数最低投資金額配当利回り1446円100株14万4600円ー※株価などのデータは2020年5月22日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。
※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。