毎年9月20日から26日は動物愛護週間だ。ペットの環境改善への意識が年々高まる中、行政による引き取り数や殺処分数は減少傾向にある。だが、いまだに多くのペットたちが殺処分される自治体もあり、その差は大きい。2018年度の都道府県のデータを基に、猫の殺処分率が低い都道府県をランキングした。(ダイヤモンド編集部 松本裕樹)
猫の殺処分数は10年間で5分の1に
行政による猫の引き取り件数は長期的に減少傾向にある。2009年度は17万7785頭にも上っていたが、2018年度には5万6404頭と、約3分の1に減少。さらに殺処分数に至っては、同期間で16万5771頭から3万757頭と、約5分の1に減っている。
だが、都道府県によって、殺処分への対応には大きな差がある。
「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」(環境省)のデータを使い、「猫の殺処分率が低い都道府県ランキング」を作成した。
その結果について解説していきたい。
引き取り猫の9割を殺処分する7県とは
所有者が不明、もしくは飼い主が飼い続けることができないなどの理由で都道府県が引き取った猫のうち、どれだけの割合が殺処分されているのか。
殺処分率が今回最も少なかったのは岡山県だ。149頭を引き取り、殺処分はゼロ。
なぜ岡山県が低いのかは不明だ。岡山県の動物愛護センターは「新たな飼い主探しなど、ほかの自治体と異なる特別な取り組みをしているわけではないのだが……」と困惑気味に語る。