![[橘玲の世界投資見聞録] 中国の地方都市・合肥で起きている不動産バブルの実態](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FDiamond%252FDiamond_29364_1.jpg,zoom=600,quality=70,type=jpg)
「中国は不動産バブルだ」と、新聞や雑誌を含め、いろんなところに書いてある。しかし実際に自分の目で見てみると、その衝撃はすさまじい。
「合肥」とといっても、ほとんどのひとは聞いたこともないだろう。
合肥(ホーフェイ)は「ごうひ」または「がっぴ」と読み、安徽(あんき)省の省都で、曹操と孫権が攻防を繰り返した三国志の戦いで知られている。上海から長江(揚子江)の古都・南京を越え、さらに100キロほど西に位置する。高速鉄道なら3時間の距離だ。
安徽省は長江と淮河(わいが)に挟まれた平原地帯で、人口は統計上6700万人とされているが実際は8000万人にのぼるといわれ、その多くが農民だ。省都である合肥も、公式人口は450万人だが実数は600万人を超えているという。
この合肥がいま、とてつもない建設ラッシュに湧いている。
中国の地方都市で不動産バブルが起きている理由なぜ合肥で不動産開発の大ブームが起きたかについては、ふたつの説明がある。
ひとつは、上海や杭州で人件費が高騰し、製造業の採算がとれなくなり、メーカーが内陸部へと移転を始めたこと。上海経済圏の製造業は長江を遡るように、江蘇省の省都・南京から合肥にまで伸びようとしている。
日本企業では、早くも1990年代に合肥に進出した日立建機が、公共事業の拡大とともに油圧ショベルの販売を大きく伸ばし、代表的な中国関連株になった。冷蔵庫の美菱(メイリン)や、三洋電機と合弁で洗濯機・電子レンジなどを生産する栄事達(ロンシダ)は安徽省から生まれた家電メーカーだ。