1位は今回もファナック
約14%増の1248.8万円

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い会社ランキング2022【愛知除く中部地方】」をお届けする。愛知県を除く中部地方(新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県)に本社を置く上場企業で、単体従業員数20人以上の企業を対象とした。

対象期間は2021年4月期~22年3月期。

 さっそくランキングを見て行こう。

 前回の2021年版ランキングに引き続き1位となったのは、工作機械用NC(数値制御)装置で世界首位のファナックだ。昨年の1098.2万円から今回は1248.8万円へと、約14%も増加。コロナ前の19年3月期の1364.4万円(平均年齢40.8歳)にまでは届かなかったものの、このランキングで唯一の1000万円台となった。

 ファナックの本社は山梨県忍野村にある。富士通のNC部門が分離して設立された同社は、もともと東京都日野市に本社があったが、1984年に忍野村に移転している。

2位はほくほくFG
3位は日置電機

 2位は北海道銀行と北陸銀行の持ち株会社、ほくほくフィナンシャルグループ(FG)で994.8万円。前年の867.1万円(平均年齢51.5歳)から約15%の増加となった。

 なお、持ち株会社は一般的に、企業グループにおける“少数精鋭部隊”であり、グループ全体の年収水準よりも高いことが多いことには注意が必要だ。

 3位は長野県に本社がある電気計測器の中堅メーカー、日置電機で923.0万円。前年の769.9万円(平均年齢45.1歳)から約20%の増加となった。

その背景にあるのは好調な業績だろう。

 世界的に脱炭素化が進む中、バッテリー、モーター、電子部品関連の計測器需要は高い。こうした環境下、日置電機の21年12月期の業績は、売上高293億2200万円(前年同期比35.3%増)、当期純利益45億2100万円(同118.3%増)と好調で、営業利益と経常利益は過去最高となった。

 4位は三谷商事で895.0万円。福井県が本社の卸売業で、生コンクリート販売量首位である。

 5位は楽器・音響機器メーカー大手のヤマハで860.4万円。前年の884.9万円(平均年齢44.5歳)から24.5万円減少した。

 例年の年収ランキングでは、1位がファナック、2位がヤマハというのが「指定席」だったが、今回は大きく後退した。

 なお、ヤマハのモーターサイクル製造部門が分離・独立して誕生した二輪世界大手、ヤマハ発動機は726.1万円で23位に入った。

 ランキングの完全版では、6位以下の全200社を掲載している。年収700万円以上の30社の傾向も業種・県別に分析しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 松本裕樹)

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