株の難しさは銘柄選びにあるが、それ以上に重要なのが買いタイミングだ。どんなにいい銘柄でも高値掴みをしてしまったら意味がない。

そこで、今回は高値掴みどころか、大底で買って大儲けが狙えるチャート術を教えよう。

10年チャートを見ることで
その銘柄の真の底値がわかる!

 「そろそろ底打ちすると思って買ったら底割れして……」というボヤキをよく耳にする。何となく株価が安くなったことで、値ごろ感から株を買ってしまう個人投資家にありがちな失敗だ。同じ轍を踏みたくなければ、長期チャートを振り返ってその銘柄の値動きを確認しよう。

 すべての銘柄で通用するわけではないが、10年程度のチャートを振り返ると、その銘柄の真の底値が確認できることがある。株のチャート分析に詳しいインベストラスト代表の福永博之さんは次のように話す。

 「例えば図の三菱重工の場合、チャートを見ればわかるように300円割れはこの銘柄の安値といっていいでしょう。この価格帯で拾えれば、毎回リターンを享受できています。買いのチャンスとしては、日経平均が暴落したときなどに一緒に連れ安したときになります」

 もちろん急な業績悪化などに注意は必要だが、この方法なら複雑な分析は不要で、過去の安値である買いゾーンまで下がるのをひたすら待てばOK。ただ長期チャートを眺めるだけで、買いのポイントがわかるのだ。

地味な底値切り上げの後に
ド派手な上昇へ発展するのを狙え!

 長いスランプを経て復活を遂げると、それまでたっぷりとウップンを溜めてきただけに、その後の活躍も凄まじい──。これはスポーツ選手のことではなく、株価の話だ。

 「長期間にわたって低迷が続いた後に下げ止まり、そのまま前回の安値を底割れせずに数年間を経て次第に下値を切り上げる。その後、節目となっている過去の高値を抜いて急騰すると、大相場に発展するケースが多い」

 と語るのはSMBC日興證券チーフテクニカルアナリストの吉野豊さん。

 図の銘柄がまさにその典型例で、121カ月にわたって下落が続いた後にようやく底打ち。その後も力強い反発には至らなかったが、過去の安値を割れず、少しずつ下値を切り上げていった。そして、ついに2012年には07年の高値を上抜き、一気に急騰に転じた。

 現在の日本株はアベノミクス相場で多くの銘柄がすでに上昇したように思われているが、まだまだ長期で見ると底値圏の銘柄はたくさん存在する。

10年チャートを見て、底値圏にある銘柄を見つけ、その中から先々大相場の条件を満たしそうなチャートの形の銘柄を拾い出し、先回りして買ってみよう。

 さて、今発売中のでは、福永さん、吉田さんによる移動平均線なども踏まえたチャートを使って株で儲ける方法をてんこ盛りで紹介しているので、ぜひ読んで、こちらも今後の投資に役立ててほしい。