わずか3週間のあいだにめまぐるしく大事件が起きたことで、その間の参議院選挙はすっかりかすんでしまい、7月末の東京都知事選は茶番劇のような扱いです。
フラクタル(複雑系)理論の創始者ブノワ・マンデルブロに師事したヘッジファンドマネージャー、ニコラス・タレブは、私たちが生きているのは正規分布の統計学で予測できる「確率世界」ではなく、平板な日々のあとに突如とてつもないことが起きる“べき分布”の「複雑系世界」だとして、それをブラックスワンと呼びました。「白鳥(スワン)は白い」という常識は、オーストラリアで黒いスワンが見つかったことで一夜にして覆されてしまいます。同様に、2001年9月11日の同時多発テロや08年9月のリーマンショック、11年3月11日の東日本大震災と福島原発事故のような「とてつもないこと」は、それまでの世界を一変させてしまうのです。