オラクルは、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)AI」 サービスを発表した。
このサービスは、データ・サイエンスの専門知識がなくても、開発者がアプリケーションにAIサービスを簡単に活用できるようにする一連のサービスだ。今日の企業は、イノベーションを加速し、ビジネス状況を評価して、新しいカスタマー・エクスペリエンスを提供するために、AIを必要としている。しかし、データ・サイエンスの専門家の不足、関連するビジネスデータでモデルをトレーニングすることの難しさ、プラットフォームを本番環境で動作させることやデータサイロを解消することなど、さまざまな実装上の問題に頻繁に直面しているという。一貫性があり、応答性が高く、ビジネス・アプリケーションや運用環境で動作し、実用的な結果をもたらすことができるAIが必要な際には、企業は貴重な時間とリソースを無駄に費やすことになるとのことだ。
Oracle Cloud Platform担当の最高技術責任者のグレッグ・パブリク(Greg Pavlik)氏は次のように述べている。
オラクルのAIサービスは、包括的なクラウド・アプリケーション群を提供するビジネス・アプリケーション・ベンダーのリーダーとしてのオラクルの経験に基づいて事前にトレーニングされているため、幅広いユース・ケースで企業に価値を提供することができる。フル・マネージドの新しいAIサービスには次のものが含まれる。
OCI Language: 文書、顧客フィードバックのやり取り、サポート・チケットおよびソーシャル・メディアに記載されている非構造化テキストを理解するために、大規模なテキスト分析を実行する。「OCI Language」には、事前にトレーニングされたモデルが組み込まれているため、機械学習の専門知識がなくても、開発者はセンチメント分析、キーフレーズの抽出、テキスト分類、固有表現抽出などをアプリケーションに適用できる。
OCI Speech: 数千人ものネイティブ言語スピーカと非ネイティブ言語スピーカを対象にトレーニングされたモデルによる自動音声認識を提供し、リアルタイムでの音声認識を実現する。
OCI Vision: 画像認識およびドキュメント分析タスク用に事前トレーニングされたコンピュータ・ビジョン・モデルを提供する。また、ユーザーは、シーンの監視、欠陥の検出、独自のデータによるドキュメント処理など、他の業界や顧客固有のユース・ケースにモデルを拡張することもできる。「OCI Vision」を使用すると、製造における視覚的な異常を検出したり、ビジネス・ワークフローを自動化するためにフォームからテキストを抽出したり、画像内の品目にタグ付けして製品の数または出荷件数を数えることができる。
OCI Anomaly Detection: ビジネス固有の異常検出モデルで、危機的な不規則性を早期にフラグ付けできるため、解決までの時間を短くし、業務停止を減らすことができる。「OCI Anomaly Detection」では、数種類のプログラミング言語に対応したREST APIとSDKが提供されているため、開発者は異常検出モデルをビジネス・アプリケーションに簡単に組み込むことができる。
OCI Forecasting: 機械学習と統計アルゴリズムによる時系列予測を提供する。データ・サイエンスの専門知識は必要ないという。「OCI Forecasting」の利用により、開発者は、製品需要、収益、リソース要件などの重要なビジネス・メトリックのための正確な予測を迅速に作成できる。これらの予測はすべて、開発者が適切なビジネス上の意思決定を行えるように、信頼区間と説明可能性を有している。
OCI Data Labeling: AIモデルをトレーニングするためのラベル付きデータセットを構築できるようにユーザーを支援する。
新しい「OCI AI」サービスは、「Oracle Digital Assistant」、機械学習モデルの構築・管理・展開に使用される「OCI Data Science」や「Oracle Database Machine Learning」などを含む、人工知能、機械学習、データ・サイエンス製品群である「Oracle AI」の中核として位置づけられているとのことだ。