東大発ベンチャー、IoTを活用したサンゴの人工抱卵を実現 サンゴを保護し、SDGsへの貢献を目指す

       

環境移送技術を活用する東大発ベンチャー企業の株式会社イノカは、IoT技術により水温を沖縄の久米島付近の海面水温と同期させた完全閉鎖環境内の実験で、サンゴの人工抱卵を実現したと発表した。同時に、2020年8月からサンゴの人工産卵のための実証実験を再始動し、2021年3月、世界初の産卵時期をコントロールした人工産卵成功を目指すという。

■実験背景・目的

WWF(世界自然保護基金)の調査では、全世界のサンゴ礁が生態学的多様性による経済にもたらす資本価値は、観光業、漁業、沿岸の保護、研究価値といった観点から推定8,000億ドルと試算されている。地球上の全海洋面積のうち、サンゴ礁が占める面積の割合は世界の0.2%程度にすぎない一方で、そこには約9万3000種(海洋生物種の25%程度)の生物種が生息し、1平方キロメートルのサンゴ礁が年間15tの食料を生産している。このように、サンゴは海洋生態系の中心的な機能を果たしているにも関わらず、その重要性はまだ一般的には広く認知されていない。

さらに、サンゴの生態系は大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を海洋に固定するブルーカーボン生態系としても注目されているという。温室効果ガスの抑制効果も期待されていることから、世界的に減少を続けているサンゴを保護し、残していくことでSDGsに貢献できると考え、2019年10月より実験を開始したとのことだ。
東大発ベンチャー、IoTを活用したサンゴの人工抱卵を実現 サンゴを保護し、SDGsへの貢献を目指す

via プレスリリース小型水槽内での人工産卵技術が確立すれば、ビルなどの一般的な都市空間のような場所でも人工産卵が可能になるため、サンゴ研究が飛躍的に促進されるとのことだ。さらに、本来、自然界における産卵は年に1回と限定的だが、水槽内の各パラメータの調整で、理論上、産卵の時期をコントロールすることが可能となるため、ハツカネズミやショウジョウバエのように何世代にもわたって研究調査を行うモデル生物としてサンゴを扱うことができるという。これにより、その結果、サンゴの基礎研究が進み、サンゴ保全に大きく寄与すると考えられるとのことだ。

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