本作で、押本忠夫(丸山智己)から逆恨みをされ、その陰に怯える女性・野添敦子を演じているのが久保田紗友さんだ。
近年、映画やドラマに出演が相次ぎ、難易度が高いと思われる役柄でも、リアリティを持って演じる久保田さんに、劇中、常に緊張が続く敦子という役を演じるうえで意識していることや、女優として心掛けていることなどをお聞きしました。
――最初に台本を拝見した時、敦子はかなり追い詰められる役柄だと感じたのですが、どんな思いで作品に入ったのでしょうか?
敦子は背負っているものがすごく重いものだったので、しっかり最後まで自分の想像力を掻き立てながらやらないといけないなという思いでした。
――シリアスなシーンが続きますが、現場ではどんな気持ちで挑まれていますか?
監督と、役についてじっくりお話はしますが、良い意味でそこまで張り詰めていないというか、緊張感しすぎない感じでリラックスして過ごしていました。
――最初に「台本を読んだとき」「本読み」「実際に現場に入って」という中で、敦子という役への印象は変わりましたか?
最初から、孤独を抱えている女性だなというのは感じていたのですが、後半に向けて監督と会話をしていたとき「敦子はすごく母性のある子だよね」という話になったんです。その言葉がすごく私も腑に落ちて、そこから溢れ出るような優しさみたいなものは意識して演じるようになりました。