人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」。今回は、小池栄子さんが主演を務める水曜ドラマ『コタツがない家』(日本テレビ系、毎週水曜22:00~)に出演する中川大輔さんです。


中川さんは2016年に「MEN'S NON-NO」のオーディションでグランプリを受賞。その後、同誌の専属モデルとして活動をスタート。2019年には『仮面ライダーゼロワン』に出演。現在は俳優、モデルとしてだけでなく、「MEN'S NON-NO WEB」で自伝漫画「実践!中川奮闘記」を連載するなど、その多彩な才能で世間の注目を集めています。

その中川さんの出演する『コタツがない家』は、『俺の話は長い』で「向田邦子賞」を受賞した金子茂樹さんが脚本を務め、会社社長兼カリスマウェディングプランナーの深堀万里江(小池)が3人のダメ男たちとの日々にてんやわんやしながらも新しい家族の形を模索し、奮闘する姿を描くネオ・ホームコメディ。中川さんはホラン千秋さん演じる八塚志織の恋人・徳丸康彦役で出演しています。


今回、中川さんに、小池さんやホランさんとの撮影秘話や、俳優業をするにあたってのこだわりなどを聞いてきました。

康彦の心理を理解するのに最初は一苦労

――康彦についてどんな印象を持っていますか?

最初は、康彦は何を考えているんだろうと思いました(笑)。結婚はしたくないけど、彼女とは一緒にいたいという価値観が、僕からすると難しくて……。結婚したくない男性の心理ってどうなんだろうと、ネットを使っていろいろと調べました。

――中川さん自身、結婚願望は強い方なんですか?

そうですね、僕は強い方だと思います。「まだ結婚したくないし、一人でいたい」ならわかるんです。
でも、康彦は「結婚はしたくないけど、志織とは一緒にいたい」と考えていて、そこが自分との違いだったので、康彦の考え方を理解するのには時間がかかりました。

――志織を演じるホランさんとは現場でどんな風に接しているんですか?

テレビで見たままの方で、明るいというのが第一印象でした。ニュース番組終わりで現場にいらっしゃると、「今日はどんなニュースを読まれたんですか」と現場で聞いたりします。いろいろと詳しい方なので、「インボイスってどんな制度なんですか」と聞いたこともあって(笑)、すごく丁寧に教えてくださいました。撮影以外の場所ではいつもそんな話をしています。

――演技の際も何かホランさんとコミュニケーションをとるのですか?

「ホランさんの場合だったら喧嘩の時どんな風に怒りますか」と聞いて、その後の喧嘩のシーンのイメージを膨らませることもあります。


――志織という劇中の女性に対してはどのような印象を持っていますか?

志織は康彦に強く出れないんです。結婚というものがあるから。時々、シュンとなったりしおらしくなったりして、「ごめんね」「悪かったと思っている」と悲しげな顔で言うんですが、それがすごく可愛いなと思います。

――主演・小池栄子さんの印象を教えてください。

前に共演した時も思ったんですが、小池さんはすごく力強い人だなと思うんです。今回も共演して改めて思いました。
(取材時)まだ、深堀家だと小池さんとのシーンしかないのですが、吉岡秀隆さん、小林薫さんは憧れの人なので、どこかのシーンで共演できたらいいなと思っています。

――第5話では、康彦が志織と同棲している家から出て行くシーンがありましたね。

何を考えているかわからないですよね……。その行動に明確な理由があるかどうかもわからないですし、もしかすると、自分自身が何を考えているのかすら、わかっていないのかもしれないです(笑)。なぜ結婚が嫌なのかも、明確な理由はなく、ただただ漠然と怖いだけなのかなと想像するんです。家を出て行くシーンも、「感覚的にこのままずっと一緒にいたら気持ち悪いな」とか、「結婚してくれって責められすぎて、今までの関係と比べて少し居心地が悪くなったのかな」と分析しています。


――第6話では結婚についてカフェ仲間と話すシーンがありますが、今25歳の中川さんにとって結婚はどういうものだと考えていますか?

漠然といいものだと思っています。でもドラマの中で「なぜ結婚したの」と両親に聞いても明確な答えがないので、そう言うのを聞くと、(康彦が)結婚する意味やメリットがわからないのも少しわかるなと思いました。

――康彦を演じることによって、中川さんが康彦から影響を受けた部分はありますか?

「結婚しなくてもいいか」という価値観が僕にも芽生える時があります(笑)。昔は結婚なんて考えていなかったし、高校や大学の時は結婚しなくてもいいかなと思っていたのを思い出してしまいました。それがいいことなのか悪いことなのかはわかりませんが……(笑)。

役者業について田辺誠一から刺激

――中川さんが役者活動をする上で大事にしていることや信念はありますか?

この前、田辺誠一さんとお話をしていたんですが、その時に僕の世代とはお芝居に対する捉え方が少し違うなと思ったんです。
例えば、役に合わせて体づくりをするときなど、上の世代の方たちは、それを「修行だと思っている」ようなところがあるのかなと感じました。僕自身は、今まで「楽しい」という感覚でお芝居をすることが多かったのですが、最近では、もう少し追い込んでみようとか、「修行」というスタンスでお芝居に向き合うことを面白いと思うようになりました。

――今、モデルや俳優として活躍する上で、影響を受けたなと思うテレビ番組はありますか?

僕は『花より男子』『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~』などを見て、テレビは華やかな世界だなと思ってきた世代なんです。僕がこの世界に入りたいと思ったきっかけのドラマだと思います。

――中川さんは結構テレビっ子だったんですか?

例えば、よる7時くらいから『しゃべくり007』が終わるまでとか、テレビはたくさん見ていました。

――TVerのお気に入り登録は利用されますか?

ドラマをよくお気に入りにしています。それ以外には、『世界の果てまでイッテQ!』『月曜から夜ふかし』『相席食堂』など、ちょうど夜ご飯を食べる時にバラエティを見ているんです。最近『イッテQ!』を見ているとき、以前は「面白い面白い」と言いながら見ていたのが、(出演者が少しハードな企画に挑戦する際は)「危ない危ない」ってなぜか親目線で見ていて(笑)。僕の親もそんなことを言いながら見ていたなって。見方が変わってきたなと思います。

――最後に今後の『コタツがない家』の見どころを教えてください。

自分でもどうなっていくかわからないんです。いきなりスナックのママが出てきて達男さん(小林)が一緒にどこかに行ってしまうような……想像のつかないドラマ。僕は台本をもらうたびに待ちきれずにすぐ読んじゃうんです。「ジャンプ」を読んでいるようなワクワクした感覚です。康彦のシーンでいうと、志織さんと結婚式をするシーンがあるといいなと思っているんですが、それを超えてくる展開が待っているかもしれません。最終話までドキドキしながら楽しみに見てください。

取材・文:名鹿祥史
撮影:フジタヒデ