1月13日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)は、元なでしこジャパンの岩渕真奈がゲスト出演。2023年9月に現役を引退した岩渕が、今の思いを語った。


2011年に18歳でなでしこジャパンの一員として、女子W杯の優勝を経験。そこから3大会連続でW杯に出場し、2度のオリンピックでも戦っている。日本代表としてはもちろん、バイエルンやアーセナルなど、海外の名門クラブでも結果を残してきた岩渕が、去年、現役生活に別れを告げた。

以前からベストのタイミングでピッチを去りたいと考えていたというが、具体的に“引退”の文字がよぎるようになったのは、昨シーズンのはじめ。岩渕は「足首の手術をして、そこからなかなか自分の感覚が戻らなくなった中で、引退というのは頭の中にありました。W杯から漏れちゃったりとか、いろんなタイミングが重なったっていうのもありましたけど、それが一番大きかったです」と振り返った。


そんな岩渕は、日本人女子サッカー選手の中でSNSの総フォロワー数1位の“SNSクイーン”でもある。番組では過去の投稿から、岩渕の素顔やサッカー観にも迫った。2015年に投稿されたバイエルン時代の写真からは、海外選手のフィジカルの強さについてトークが展開。岩渕は「日本にいるときは、やっぱりどこかで“細くありたい”“可愛くありたい”とか思っていて、筋トレとかもあまりしたくなかったんですけど、ドイツに行って、それが必要だと気づいてからは、ちょっとやるようになりました」と明かした。

また、女子サッカー界の変化にも言及。岩渕が「私たちが優勝した頃って、日本が一番戦術がしっかりしていた。
今は割とどのチームも戦術をしっかりやった上でのフィジカルの強さなので」と話すと、同じく元なでしこジャパンで、解説の丸山桂里奈も「どんどん他の国もレベルが上がっているし、日本が勝つのも結構難しくなってきているんだろうなっていうふうには思います」と同調した。

2020年にはイングランドのアストン・ヴィラ、2021年にはアーセナルへ移籍。2023年にはトッテナム・ホットスパーへの期限付き移籍が実現した。アーセナルとトッテナムは“ノース・ロンドン・ダービー”で競う同じロンドンのライバル関係。いわゆる“禁断の移籍”だった。岩渕は「試合に出たいっていう気持ちもあったし、W杯を目指していたので、コンディションという部分でも、それがベストかなって。
もうサッカーだけを考えて。わがままな選択ではあったんですけど」と吐露。MCの勝村政信は「ダービーとかの意味合いが日本とはまるで違いますからね」と、岩渕の決断がいかに重大なものだったのかを強調した。

サッカーの本場で数々の経験を積んだ岩渕は「いい意味で馬鹿になることって絶対大事。言葉も通じないし、サッカーの種類も違うので、うまくいかないことって絶対あるんですけど、うまくいけば楽しいし、海外に出たことで開かれる道って絶対あるんですよ」と主張。海外を目指す日本人選手に対し、「夢を持って積極的にチャレンジしてほしいなって思います」と勇気づけた。


番組では、岩渕の引退後の活動にも密着。引退発表から数か月後、岩渕は神奈川県松田町にいた。この日行われたのは、小学生へのサッカー教室。岩渕の他に、澤穂希、宮間あや、海堀あゆみ、阪口夢穂といった、なでしこのレジェンドたちが集まった。質疑応答の後、実戦形式で子どもたちと対戦した岩渕は、今後も仲間と共にサッカーの普及活動を行いたいと話す。

さらに、サッカーだけでなく、スポーツで人と人を繋ぎたいという思いから、女子アスリートの2人と一般社団法人を設立予定だという。
岩渕は「スポーツの楽しさをいろんな人に知ってもらいたいというのがあります。スポーツ選手と関わる機会が少ない子たちに、勝ち負け関係なく、できないことができるようになる楽しさだったり、仲間が増える楽しさだったりっていうのを知ってもらえる活動をしたい」と、今の夢を打ち明けた。

そして、最後はサプライズで引退会見にも駆けつけた澤が、岩渕の素顔を語る。まず、岩渕の第一印象について聞かれた澤は「アンダーの世代ですごく活躍していた選手でしたし、すごい選手だなっていう印象だったんですけど、でも本当に一緒にやっていく中で、すごく負けず嫌いだし、サッカーに対しての思いを感じました」と述懐し、「そういうのも今の子どもたちに伝えてほしいなっていう思いはあります」と期待を寄せた。

続けて、岩渕の性格については「結構ね、ツンデレなんですよ」と暴露。「甘えん坊さんかなと思いきや。
誰にでも愛されるし、愛嬌もあるし、なんかすごく可愛がりたいなって感じ」と微笑みながら、第2の人生を歩む岩渕に「一緒に女子サッカーを盛り上げていきましょう」とメッセージを送った。

澤からのエールを受け取った岩渕は「澤さんを見て、自分も負けず嫌いになったと思いますし、澤さんから得たものっていうのはものすごくあったので。今こうして舞台が変わって、普及の仕事を一緒に頑張ろうねって言ってもらえて、素直にうれしいです」と感激。「澤さんと一緒にできることってたくさんあると思うので、力を合わせて女子サッカーのためにやれたらなと思います」と意気込んだ。