武庫川女子大学の看護学部・大学院看護学研究科は、高度な専門性を持つ看護人材のニーズの高まりにこたえ、2015年4月に同時開設しました。これまでの卒業生・修了生数は、看護学部558人、看護学研究科修士課程106人、博士後期課程26人にのぼります。開設10周年を記念し、9月20日、シンポジウム「多様性社会における生活者と看護」を中央キャンパスの公江記念講堂で開催しました。
講演会には看護学部在学生・看護学研究科の院生、卒業生や一般の来場者500人以上が参加。開会のあいさつで看護学部長・大学院看護学研究科長の寶田穂教授は「多様な社会の看護は答えの出るものではないが、皆さまと一緒に考えていきたい」とあいさつしました。
髙橋享子学長は「10周年の大きな節目を迎えられたことは大変うれしく、大学を代表してお祝い申し上げます。今後も教育のみならず研究、地域貢献活動にも力を入れ、2027年度からの皆学(共学)に向け看護学部の新たな飛躍を支援し、安心できる地域づくりを目指します」と決意を述べました。
第1部では大阪大学名誉教授で本学初代学部長・研究科長の阿曽洋子名誉教授が、看護学部開設時のエピソードや、看護科学館の各階の色彩のコンセプトを紹介しました。「看護学部の教育目的である『360°看護力』は、看護技術だけでなく観察力や思考力、実践力なども含んだ全方位を指します。学生や卒業生が、たくさんの人の希望になれる看護師になれるよう、いつも見守っています」と温かいメッセージを発信しました。
次に、フリーアナウンサーの清水健さんが「ひとつの家族のカタチ」と題して講演を行いました。
第2部ではパネルディスカッションを行い、看護学部や看護学研究科の卒業生、看護学科の教員の5人がそれぞれの看護体験を語りました。第1部に続き清水健さんも参加し、「患者と家族の思いが異なるときはどちらを大切にするべきか」「患者の気持ちをくみ取れずくやしかったことはないか」「患者に寄り添うとはどういうことか」など踏み込んだ質問を投げかけました。
清水さんから「どんな看護師になりたいか」と尋ねられた、客席の看護学科4年生の学生は「その目の前の人を救える看護師になりたい」と答えました。
閉会のあいさつで、看護学研究科専攻長 本間裕子教授は「答えのない問いに対して、答えを考え、作っていく姿勢が専門職としては大切。そのために看護学科では教育に力を注いでいく。困っていることがあれば、大学院の学びで問いを見つける作業をしていただきたい」と総括しました。
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