孤独だが心優しい男が、歪んだ社会の狭間で“悪のカリスマ”へと変貌を遂げていくドラマを、アカデミー賞常連の実力派スタッフ・キャストで描いた傑作サスペンス・エンターテイメント『ジョーカー』(2019)。その続編にして完結編となる『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』通称「ジョーカー2」が、今秋10月11日(金)全国劇場公開される(日本語吹替版・字幕版同時上映<Dolby Cinema/ScreenX/IMAX>)。

そしてこの度、三大映画祭「第81回ベネチア国際映画祭」コンペティション部門への出品が決定し、最高賞〈金獅子賞〉の連続受賞に世界中の注目が集まる中、前作以上の“衝撃を”もたらすジョーカーの狂気的な姿を映し出した新場面写真が解禁となった。ジョーカーになった男のその後―すべての答えが明かされる、衝撃のラストが待ち受ける完結に備えよ。

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『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』

前作『ジョーカー』で罪を犯したジョーカーは、アーカム州立病院で来たる裁判を待つ日々を送っていた。事件以降、理不尽な社会の代弁者として民衆に祭り上げられジョーカーは、悪のカリスマとして絶大な人気を持ち始め、社会ではジョーカーについてのメディアの報道やジョーカー擁護派の動きが日々激化していく―。ジョーカー役のホアキン・フェニックスは徹底的な役づくりで撮影に臨むことで知られ、前作『ジョーカー』でも23㎏もの体重を落とし狂気的なジョーカーを演じたことで大きな話題を呼んだ。

解禁となった場面写真では、前作以上に骨が浮かび上がるほどやせ細った体と、悲しみとも絶望とも読み取れる虚ろな表情を浮かべるジョーカーが映し出される。さらに先日解禁となった予告編での、やせ細った姿で監獄を歩き、逮捕された後も狂気的な存在感を放つ姿からもホアキンが前作以上の役作りで本作に挑んでいることが伺える。

ヒース・レジャーやジャック・ニコルソンなど数々の名優が演じてきたジョーカーだが“極限の役作り”と、狂気的ながらも共感を呼ぶ芝居によって生み出されたジョーカーは世界中に衝撃を与え、ホアキンは“歴代ジョーカー俳優”の中で唯一ジョーカー役で米アカデミー賞【主演男優賞】の栄冠を手にしている。

作品も世界興行収入1,500億円(10億ドル)を超える空前の大ヒットを遂げ、公開当時R指定映画史上歴代最高記録を樹立(※Box Office Mojo調べ)し、世界規模の社会現象を巻き起こした。そんな衝撃作『ジョーカー』の2年後が舞台となる「ジョーカー2」では、ジョーカーの狂気が、謎の女性リー(演:レディ・ガガ)や裁判の生中継を通して群衆たちにも伝播していき、世界を巻き込む新たなショーが幕を開ける。

世界を震撼させた孤独で優しかった男は“悪のカリスマ”か、それとも“ただの弱き人間”か。前作を上回る「世紀の瞬間」をぜひ劇場で見届けて。

歴代ジョーカーを振り返り

数々の作品に登場し、その度に観客を震撼させてきたジョーカーたちを演じてきたのは、オスカー俳優のホアキン・フェニックスやヒース・レジャーに加え、ジャレッド・レトやジャックニコルソンらハリウッドを代表する演技派の名優たちばかり。そんな強烈なインパクトと、根強いファンを生み出すカリスマ性を披露してきたジョーカーを生み出した彼らの卓越した演技力と、規格外の役作りを一挙に振り返っていく。

『ジョーカー』(2019年)

名優ホアキン・フェニックスの“極限の役作り”で生み出された“悪のカリスマ”

コメディアンを夢に見て、「笑いのある人生は素晴らしい」と信じ、都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながらドン底から抜け出そうともがく心優しい孤独な男が理不尽だらけの世の中で悪のカリスマ《ジョーカー》へと変貌を遂げるまでが描かれる本作。第92回米アカデミー賞Rでは、ジョーカー役のホアキン・フェニックスが主演男優賞の栄冠を手にし、作品も作品賞、監督賞、脚色賞を含む最多11部門にノミネートされ賞レースを席巻。

規格外の体作りだけではなく、撮影後に家に帰ってからも役が抜けないほど徹底した役作りを行いジョーカーへの理解を深めていた。そんなホアキンが生み出した理解不能な犯罪者でありながら、多くの観客を共感させる衝撃のキャラクターは世界を震撼させ、世界規模の社会現象を巻き起こすほどの話題作となった。

『ダークナイト』(2008年)

オスカー俳優ヒース・レジャーの“狂気”と“悪意”が世界に衝撃を与えた

ホアキンジョーカーに並ぶ人気と高い評価を受けているのが2008年に公開された『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じたジョーカーだ。世界の秩序を壊すことを信条に掲げるジョーカーは幾度となくバットマンと対峙し、スーパーパワーを持たずしても世界に混乱をもたらしていく。

そんなジョーカーを演じるためにヒース・レジャーは6週間ホテルに一人で閉じこもり、ジョーカーとして日記をつけたり、精神異常者のマインドを理解するために専門書を読みこむなどの徹底的な役作りを行っていた。狂気的でありながらも、観客を惹きつけるカリスマ性を兼ね備えた彼の怪演は世界的に評価をうけ、第81回米アカデミー賞で助演男優賞を受賞した。

『スーサイド・スクワッド』(2016年)

個性豊かなチームでもひと際存在感を放つ、ジャレット・レト演じる“サイコパス犯罪者”

全員終身刑クラスの極悪人で作られたチームが減刑のために、成功率ほぼ0%のデス・ミッションに挑む本作。ジョーカーに恋する元精神科医 ハーレイ・クインや、ウィル・スミス演じる最強のヒットマン デッドショットなど個性豊かなキャラクターが登場する中で、ひと際観客の目を引くのがジャレッド・レト演じるジョーカーだ。

入念な役作りを行うことで知られるジャレッドは精神病患者と面会したり、共演者に銃弾などをプレゼントする狂気的なサプライズを行うことで本作でもジョーカーへの理解を深めていた。緑色のオールバック、白い肌に彫り込まれたタトゥーや、口元を輝かせる銀歯など狂気的ながらセクシーさを感じさせるジョーカーは必見。

『バットマン』(1989年)

不気味な笑顔が観る者を震撼させる。名優ジャック・ニコルソン演じる元マフィアのジョーカー

『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年)で知られるティム・バートン監督が手掛け、『シャイニング』(1980年)で知られる名優ジャック・ニコルソンがジョーカー役で登場する『バットマン』(写真左上)では、ジャック演じるマフィア幹部ネイピアがバットマンとの戦闘で化学薬品が入ったタンクに落ちたことで全身の肌が白く変色し、笑顔の表情がこびりついたジョーカーへと変貌を遂げる。

音楽に合わせてダンスを披露するコミカルさと、大量殺人を計画する残虐性を兼ね備え、不気味に映し出される笑顔はまさに“狂気”そのもの。観る者を恐怖に陥れる強烈なキャラクターは、原作に最も近いジョーカーとも言われおりハリウッド屈指の名優による怪演を堪能することができる。

アニメ版ジョーカーも必見!

『レゴ®バットマン ザ・ムービー』(2017年)

実写作品だけではなく数々のアニメーション作品でも登場してきたジョーカーたち。レゴブロックの世界を舞台にした『レゴ®バットマン ザ・ムービー』では、俺様主義でわがままなヒーローとして描かれるバットマンと、そんな彼に“最強の敵”と認めてもらうために奔走するジョーカーの対決が描かれる。アニメ作品ならではのコミカルで可愛らしいジョーカーの一面も楽しめる。

『ニンジャバットマン』(2018年)

『ニンジャバットマン』は犯罪都市ゴッサムシティの犯罪者たちが、戦国時代の日本にタイムスリップするという異色のストーリー。歴史改編を目論む最狂の愉快犯ジョーカーは、この世界でもバットマンと相対することに―。日本発のアニメ作品らしい色彩豊かで細部まで作り上げた映像により、新たなジョーカーの一面が楽しめることは間違いない。

そして続編となる『ニンジャバットマン対ヤクザリーグ』の製作も決定しており、さらなる注目が集まっている。

『異世界スーサイド・スクワッド』(2024年)

『異世界スーサイド・スクワッド』はドラゴンが飛び交う魔法の世界“異世界=ISEKAI”を舞台にハーレイ・クインやジョーカーの活躍が描かれるTVアニメシリーズ。常軌を逸した思考で、混沌と狂気をもたらすジョーカーと、ハーレイ・クインの間で織りなされる恋模様も描かれている本作も是非ご覧いただきたい。

狂気的なキャラクターを深く理解し、それを表現することができる卓越した演技力を持つ限られた役者にしか演じられないジョーカー。その中でもホアキン・フェニックスの怪演は世界に衝撃を与え、彼の演じる“悪のカリスマ”は最も知られるジョーカーの一人となった。前作以上の役作りで挑んだホアキンは、ベネチア国際映画祭にて史上初となる2作連続で最高賞〈金獅子賞〉受賞をもたらすのか。

そして完結編となる『ジョーカー2』はまたしてもアカデミー賞を席巻する衝撃作として世界を驚かせるのか?かつてない衝撃が待ち受ける完結編を絶対に見逃すな。

【ストーリー】

理不尽な世の中の代弁者として時代の寵児となったジョーカー。彼の前に突然現れた謎の女リーとともに、狂乱が世界へ伝播していく。孤独で心優しかった男の暴走の行方とは? 誰もが一夜にして祭り上げられるこの世界――彼は悪のカリスマなのか、ただの弱き人間なのか? 衝撃のラストに備えよ。
 
(海外ドラマNAVI)

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