山梨のご当地グルメといって、まず思い浮かぶのが“ほうとう”だろう。ごぞんじ、極太の麺に野菜をたっぷり入れてグツグツ煮込む家庭料理だ。
そして山梨といえば日本屈指のワイン産地としても知られている。

そんな山梨を代表する名物2つがついに(?)コラボレーションした。それが今年1月に発売された「夢いろワインほうとう」。意外すぎるこの組み合わせに、山梨出身である私も思わずビックリ。

実はこのほうとう、ほうとうの生地に山梨県産の赤ワインを練り込んでいるのだそう。なるほど、開けてみると、ほのかなワインの香りが鼻をくすぐる。

商品を製造しているホクト甲斐の高橋さんに話を聞いてみると、
「他社にはない自社の新製品を開拓し、販売しようという思いから誕生しました」
実はホクト甲斐とは、障害を持った方に就業の機会を提供したり、必要な訓練を行うサービスを提供している社会福祉法人。収益をあげることで、障害を持った人たちに少しでも労働にあった賃金を払えるようにしたいという思いもあるのだという。

とはいえ、単に目新しさだけを追ったわけではない。ワインに含まれるポリフェノールは体によいといわれることにも着目したうえで、
「他社にはない製造過程の麺を1本1本時間をかけて並べ、商品を完成させています」
と、作り方にもこだわる。実際に食べてみたところ、確かに麺の歯ごたえが通常より強い。モチモチした食感が絶妙だ。
ちなみに煮てしまうとそれほどワインの風味は感じないが、ザルで食べるとワインの香りが際立つそう(“おざら”といい、これもれっきとしたほうとうの食べ方だ)。

販売場所は、ほったらかし温泉売店(山梨県山梨市)、ハッピーパーク道の駅(山梨県南アルプス市)、道の駅信州蔦木宿(長野県茅野市)。そして東京府中市にある甲州ほうとう専門店「ホクト甲斐」でもお土産として売っている。一パック3食入りで、525円と値段も手ごろ。

ちなみに美味しいほうとうの食べ方としては、汁は味噌汁より少し濃いくらいの味にすること。このほうとうにも味噌もついているが、足りなければ手持ちの味噌を追加するといい。そして野菜はなるべくたくさん入れたほうが美味しい。

山梨県民にとって本当に慣れ親しんだ定番の味「ほうとう」。この冬はぜひ山梨の新しい味覚に酔いしれてみては?
(古屋江美子)
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