一昔前に比べるとずいぶんポピュラーになった無洗米。ここ数年、千葉県などの自治体、ほっかほっか亭、CoCo壱番館などの外食産業、ファミリーマート、パナソニックやシオノギ製薬といった多くの企業で普通米から無洗米への切り替えが行われている。
環境問題が叫ばれている昨今、改めて無洗米が注目を浴びているのだ。でも、無洗米がなぜ環境にいいのか、よくわからないという人も多いだろう。そこで無洗米について調べてみた。

全国無洗米協会によると、普通米から協会認証の無洗米にかえると、普通米と無洗米を比べた場合、ご飯茶わん1杯(お米75g)で約1.4gのCO2が削減できるのだそう。精白米のとぎ汁を下水処理するエネルギーより、無洗米に加工するエネルギーの方が少なくてすむためだ。ただし、このように環境効果がはっきりわかっているのは、今のところ無洗米協会認証の無洗米だけ。
無洗米は製造方法がいろいろあって、製造方法により品質や環境効果が違うのだ。

さらに、協会認証の無洗米の場合、米についている肌ヌカを工場で一括して取り除いているために、水質汚染の原因にもなっているとぎ汁が出ない。工場でとれた肌ヌカは捨てることなく、有機質肥料として利用されているらしい。

実はとぎ汁の中には環境を汚染する窒素やリンといった物質が多く含まれていて、これらが海や川、湖などに流れ出てしまうとヘドロになってしまう。もちろん、家庭から出るとぎ汁は、下水処理施設で処理されるが、これら窒素やリンの一部は処理しきれずに海や川に流れ込んでしまっているのだとか。

このように環境にやさしい無洗米だけど、もともとどういった理由で誕生したのだろう? 全国無洗米協会の方に聞いてみた。

「協会認証の無洗米は、米のとぎ汁を出さないことで海や川、湖などの水質汚染を防ぐために生み出されました。そのため工場では、水も何も加えずに作っています。その結果、とぐ手間が省け、どなたでも簡単にご飯が炊ける利便性も注目されて普及してきたのです」

もともとが水質汚染を防ぐためだったんですね。知りませんでした……。

「無洗米が誕生して約20年になりますが、最初は水や人件費が節約でき、誰が炊いても均一に炊きあがるということが評価され、業務用で広がりました。その後、年々倍増し、2007年の協会認証の無洗米の生産量は43万トンになります。
一般に流通する米の量を500万トンと推定すると、その約9%くらいですね」

それでも生産量が普通米とこれほどの差があるなんて……。無洗米は生産するのに工場全体のラインを含めて大規模な設備が必要だということなので、なかなか生産量が増えないのかも。

それでは、普通米に比べて無洗米がお得な点はどういったところでしょうか?

「まずひとつは、正味量が多いこと。同じ5kgで比べた場合、普通米には、約0.15kgの肌ヌカがついているので、とぎ洗いすると実際に食べられるのは4.85kgになります。無洗米は肌ヌカを完全に取り除いているので、5kgすべてを食べることができます。次に水が節約できること。
3カップ(約450g)の米をとぎ洗いするのに約4.5リットルの水が使用されています。1日3カップ炊くとすると、年間で2リットルのペットボトル828本分の水が節約できます。最後に米をとぐ時間が節約できます。これは一般家庭では金銭的に評価しづらいのですが、業務用では、労働時間の減少につながります」

普通米はとぐと量が減るなんて、あまり考えたことがなかったけど、そう言われるともっともな話だ。あと、水の節約に関してはほんと納得。米をとぐ時ってかなりの水が必要ですよね。


無洗米は加工にひと手間かかることから、普通米に比べて1kgあたり20円ほど高いのが一般的。確かに、私がよく買う店でも、同じブランドの米5kgで比べるとかっきり100円高い。でも、正味量が多く、水が節約できることを考えると逆にすごくお得なのでは?

CO2削減や水質汚染の軽減はもちろん、水道代の節約にも有効な無洗米。今後、環境意識が高まっていく中で、無洗米の導入はますます進むはず。身近なところからできる環境活動、みなさんもぜひ。
(S.I/C-side)