デールさんは2001年6月19日生まれの、メスのレッサーパンダ。母親に育児放棄されてしまった経緯があり、飼育員さんを母親代わりとして、人工保育で育ったのだそう。
野外教室は、こうした幼少時の知られざるエピソードの紹介や、レッサーパンダの習性についての分かりやすい話をはさみつつ、デールさんが平均台やトンネルくぐり、木登りなどをするという内容で進められた。その愛らしい動きに、生徒の子供たちから「がんばってー」のかけ声も。
それにしてもデールさんはあまりに平気な顔で、すたすたと課題をクリアしていく。
「どうやって練習したの? と質問する人もいますが、これらは野生のレッサーパンダが、森の中で普通に行っていることなんですよ」と、飼育員さんは説明してくれた。そう、これは単なるショーではなく、普通のレッサーパンダの運動能力を知ってもらう「教室」というわけだ。
こんな場面もあった。デール先生がステージ上で、うんちをなさってしまったのである! しかし飼育員さんは一切あわてず、「レッサーパンダはいつも決まったところでうんちをします。デールさんがしたい時にいつでもトイレできるよう、前もってここに匂いをつけておいたんです」と話す。
なるほど、うんちもあくまで普通のレッサーパンダのことを知る教材のひとつというわけだ。