「犬の知育玩具」と呼ばれる製品を発明したのは、スウェーデン在住のニーナ・オットソンさん。「家の中でも嗅覚や頭を使わせて、犬を飽きさせない方法はないか」と考えた。そこで、トイレットペーパーの筒の中にエサを入れて、両端にフタをしたおもちゃをつくったのが最初。それをきっかけに、犬がボールを転がすたびに穴からエサが出てくる「アクティブボール」という製品を開発。北欧を中心に10万個も売れたという。
以来、つぎつぎに知育玩具を世に送り出していったわけだが、だんだん製品が進化していくとともに、難易度が上がっていった。例えば、製品上部の穴に木製の筒を落とすと、その弾みで箱内のエサが転がり出る仕組みのおもちゃ『ドッグボックス』。これを何も説明を聞かずに突然渡されたら、人間でもどうやって隠されたエサを取り出せるかわからないだろう。
ニーナ製品をウェブサイト「sumainu(スマイヌ)」で国内販売するグローブテイルズに詳しいことを聞いた。
――エサを取るのに難しいおもちゃは必要なのか。
「犬は自然の中でいろいろなニオイを嗅ぎ、何かを探すことに“やりがい”を感じています。ニーナ製品のような知育玩具で犬に頭を使ってエサを探させることで、室内でも自然と似たような効果が得られるわけです。他方、飼い主は難解なパズルに悩んでいる犬に、適当なヒントを与えます。そのようなやりとりによって、飼い主と犬の絆がおのずと深まっていくのです」