ストロボは、撮影の瞬間だけ強い光を出すことで、被写体を明るく浮き上がらせることができる。しかし、通常ストロボの発光部は被写体に対して真正面を向いているため、「影のない平面的な写真」になりがちなのである。なので、プロカメラマンの撮影ではストロボ発光部をわざと天井に向けることで、真上からの反射光を被写体に当てることが多い。これをバウンス撮影という。
こうすることで、適度に被写体に影ができて立体的な写真になる。ただし、バウンスが可能なのは天井が白色であまり高くない場合に限られる。暗い色だと光が反射しないからであり、高すぎると反射光が弱すぎてしまうからだ。
こんなとき、手軽に真上から発光できるストロボのひとつが円形タイプ。
花や昆虫、小物雑貨などを近距離から撮影するときによく使用される。どうして円形なのかというと、レンズの形に合わせているから。発光部をレンズに装着することで、どんなに近づいてもストロボ光が被写体に満遍なく当たるようになるのだ。
なので、基本的にはレンズに付けて撮影する。ところが、この使い方だと立体的な写真にはならない。ふつうのストロボ同様に真正面から被写体に光を当てることになるから。
ここで少し頭をひねれば簡単に答えは出る。発光部をレンズに付けず、手持ちで被写体の真上に設置するのだ。そうすれば当然、光は真上からくるので被写体に影ができ、結果として適度な明暗差によるグラデーションが実現する。
応用として、真上からだけでなく左右から発光すると、また一味違った写真になるのでお試しあれ。
このように個性的なストロボを使って、個性的な写真をどんどん撮ってみてください。
(羽石竜示)