このイベントの出演者は、ニコニコ動画における実況プレイ黎明期を支えた古株のはるしげ、ルーツ、加藤、たろちん(僕)の4名。という訳で僕も参加させてもらった「ニコニコゲームナイト」のお祭り騒ぎっぷりを今回はレポートさせてもらいます。
会場を埋め尽くしたお客さんのほとんどが10代から20代前半の女性。別に僕たちはジャニーズjrでもお笑い芸人でもないのに、150枚ものチケットが即完売したそうです。
イベントは1人40分程度の持ち時間でそれぞれコーナーを担当しました。はるしげは唯一のサラリーマンであることを活かして、「最弱の主人公」と言われる激ムズゲーム「スペランカー」をリスクマネジメントの観点から攻略法をプレゼン。ところが実際のプレイでは危ないシーンも多く、お客さんの悲鳴が聞こえる展開も。続く加藤は、ルールを全く知らないまま将棋ゲームに挑み、歩だけをひたすら前進させる、ありえない位置に必死に駒を置こうとするなど21世紀の将棋を披露。会場から笑いが起こる度に「なんで? 何がおかしいの?」と戸惑う、その姿がまた笑いを呼んでいました。
ニコニコ動画ではコメントの文字によって視聴者が動画に参加しますが、イベントの場合は笑いや叫びがそのまま声になって伝わります。この臨場感は実況動画の雰囲気をそのまま再現したかのような盛り上がり。生でやったって実況は面白いんだ。
このゲーム実況イベントで一人異彩を放っていたのが、実況をきっかけにプロの漫画家としてデビューしたルーツ(8月24日には初単行本『するめいか』第1巻が発売!)。何が異彩って、彼のコーナーはゲームじゃなくて「料理実況」。裸エプロンの出で立ちで自慢の綺麗な乳首をチラつかせながら登場すると、動画そのままのマシンガントークでベテランMCのdj急行にすら喋る隙を与えません。
最後は僕ことたろちんによる、『FF5』最強の隠しボス「しんりゅう」撃破を目指すコーナー。ただし、もともと「酔っ払ってFF5をプレイ」する動画をやっていた僕には当日、「プレイ時間までに泥酔しておくこと」という条件が課せられていました。という訳でイベント中ひたすらビールを飲み続けていた僕はステージに上がった時には既にフラフラ。
次第に時間が過ぎていき、とうとうラストワンプレイ。ここで勝てなければ挑戦は失敗です。僕はもう焦りと酩酊でわけがわからないおじさんに成り果てており、「どうすればいいの! どうすればいいの!」と赤子のように喚き続けていたそうです。次第にお客さんから「エスナだ!」「ブリンクだ!」という指示の声があがりはじめ、僕はもう「次は!? 次は!?」と叫びながら言われたとおり一生懸命ボタンを押す機械になりました。
会場に来た人でこんなことをツイッターに書いている人がいました。
『今日のニコニコゲームナイトの最後のたろちんさんのしんりゅう勝利の瞬間は、これが実況の普段はコメントで行われている一体感のライブなんだなあと思えた。盛り上がった〜。 』
ああ、僕にも好きな動画のクライマックスでコメントが盛り上がっていると興奮することがあるなと思いました。そしてそれはオフラインのイベントになっても出来るんだ、と。
ただ、僕はともかくイベントは大成功だったようです。たった一つのゲームプレイを共有することで、たくさんの人間が同じ気持ちを共有することが出来る。実況プレイのそうした可能性を見つけられたように思います。ニコニコ動画を出発点にしたイベントは近年増えてきていて、今月7〜8日にかけて行われるラジオ企画ニコニコサマーフェス2010でもオフラインイベントが用意されている。皆さんも一度、生の「弾幕」を味わいに出かけてみてはいかがでしょうか。(たろちん)