「パチ、パチ、パチ」――静電気って嫌ですよね。
これからの時期、洋服などによく発生する静電気だが、ほかにもいろんな物に帯電する厄介なヤツだ。
たとえば、音楽CD、動画DVD、アナログレコード。キャリングケースからの出し入れだけで、CDで500~1500ボルト、LPで3000~2万ボルトの静電気が発生する。では、静電気を帯びた状態で再生した場合、どのような影響が出るのだろうか。静電気除去ボックス『SK-EX2』を扱うオーディオ機器会社のユキムに聞いてみた。

――静電気が発生するとどうような現象が起こるのか。
「静電気が音に悪影響を及ぼすことは昔からよく知られています。
たとえば、レコードを聴いたことがある人は、パチパチというノイズを聞いたことがあると思います。この現象の多くが実は静電気によるものなのです。また、CDなどの光ディスクでは、声の『シ音』がきつく聴こえたり、音質自体が何となく『もや』っとしたようになります」

――つまり、本来持っている音が再現できないということ?
「そうです。ところが、帯電に気づかず、それが普通の音と勘違いしてしまっているユーザーが多いと思います。いくら高い読み取り精度を誇る高級CDプレイヤーを使用しても、盤面自体の静電気が音再現の邪魔をしているのは、もったいない限りです」

――光ディスク、レコードがよく帯電するのはどうしてか。
「レコードは、ポリ塩化ビニールという音の記録に適している素材を使用しているのですが、反面、帯電しやすい素材でもあります。
他方、光ディスクの素材はおもにポリカーボネートです。この素材もよく帯電します。スピンドルパックのCD-Rを購入したとき、1枚ずつ取ろうとすると『ネバ~』っという静電気を感じたことがあると思います。つまり、CDが購入したときから帯電してしまっているのです」

――盤面を布で拭くと帯電した静電気はどうなるのか。
「布などでCDについた指紋を拭き取るユーザーもいますが、この『こすれ』こそが静電気を発生させるのです。表面は綺麗になりますが、静電気を増加させています」

そこで、同社で扱っているアイテム『SK-EX2』。
使用法は簡単。レコードを30~1分間挟み込み、最後に付属のラバー素材を盤面に数回あてるだけだ。厄介な静電気を強力に除去できるのは、『サンダーロン・シート』という特殊素材が内部に敷き詰めてあるからだ。
「特許商品のサンダーロンは、少しの静電気による発火が大事故となるような工場などの絨毯として、また、衣服素材として使用されています。さらに、静電気が発生するとうまく印刷できないコピー機やプリンターなどの内部にも使用されています」

同素材は、アースを用いることなく大気中に放電が可能。CD、LPだけでなく、オーディオケーブルの静電気も除去できる。

だが、サンダーロンだけでは完全にゼロにはできない。そこで、盤面を傷つけないラバー素材の付属アイテム『ZERO SHOT2』の出番。盤面数回当て、人体アースで残った静電気を除去する。

ちなみに、同製品の姉妹モデル、ブラシ状の『SK-2』は1万本の大ヒット、ロングセラーを続けている。静電気対策を重視するオーディオユーザーって思ったより多いようだ。

音に神経質なあなた! 静電気を徹底除去して、高音質を堪能してみてください。

(羽石竜示)