表題通り小学生向けの本のようだが、奥付をにはなんと「昭和2年」とある。この全集、結構な数のラインナップがあるようで、一覧には「イソップ童話集」や「ギリシア神話集」といった読み物系や「魚の世界・獣の世界」、「鳥物語・花物語」といった自然科学系のもの、さらに「極地探検記」「陸軍と陸戦の話」「乃木将軍・東郷元帥」などの時代を感じさせるものなど、バラエティにあふれていて、ぜひ他の巻も見てみたくなる。
この「面白文庫」は、その全集の74巻(!)にあたり、一冊まるごと、色んな種類の子供向け遊びが紹介されている。
パラパラ見ていると当時のノリがなんとなく感じられて楽しい。たとえば「安打」「ゴロ」「セイフ」「犠牲球」「打ツ」などと書かれたカードを書かれたカード(表記は原文まま。以下同)を使って遊ぶ「室内野球遊戯」。この解説文の調子がまた、味わい深い。
<本塁打・打者はぐるりと、塁を一巡して、本塁へ帰ります。即ち、一點(てん)であります。>
<此の攻撃と守備は、ヂャン拳かクジできめれば宜いので、何方が先になつても、結局同じ回数だけ攻めて守ることになるのですから、それはお互同士で『君から先にやり給へ』と、やつても宜いわけなのであります。>
他にも「碁石遊び」「郵便遊び」「紙送り競争」「それから遊び」「羅漢廻し」「小鳥が飛んだ」などなど、その名前だけでも気になってしまう遊びが満載。