そして、この店に入ると眼前には白一色の世界が広がる。東京銀座にある「An ana-B(アナビー)」は、バッグを専門に扱うショップ。しかし、店内に入ると普通じゃない。白い。バッグが、全部白い。
要するに、“白いバッグの専門店”。それも、よく見るとナカナカに凝った逸品ばかりみたいで。そこで、このようなコンセプトのショップをオープンしたきっかけを、代表である長島さんに伺ってみた。
「まず、白いバッグに興味があったというのがあります。あと、“白”って敬遠されがちな色でもあると思うんです。たしかに『汚れない』といえば嘘になりますが、技術的には進歩もしており、今では大抵の汚れが落ちるようになっているんですね。そんな現状を知り、『商品になる』と感じたのもオープンのきっかけです」
同ショップで購入したバッグは、汚れに関しては半年間の無料保証があり、その間はお店がクリーニングしてくれる。それ以降も技術力の高さにより、大抵の汚れは落とせるという。
また、店内にあるバッグはすべて日本の職人が製作したものばかり。“白”と“メイド・イン・ジャパン”のバッグを発信することを目的に、11月22日に起ちあげられたショップなのだ。
「最近は、一流ブランドもバッグから撤退気味なんです。すると、技術を持っているのに仕事を失う職人やデザイナーさんも出てくるんですね。そこで、このお店などを通じてお客さんの声を吸収し、それを作り手側に伝えてあげることでバッグ自体の質を上げていきたいんです。『作っていれば売れる』という時代は、もう終わっていますから」