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投票締切直前、書評家・杉江松恋が大胆予想! 本年度本屋大賞受賞作はこれだ!(前編)

(予想)
書店員の中に多数存在すると思われる文化系サークル出身者には好意的に迎えられるだろう。あ、工学系の大学が舞台なので、「理系になんとなく憧れをもっている人たち」の点も集めるか。今回2作が候補になっていることでも判るとおり、有川に本屋大賞授賞式にきてもらいたい人は多いはずだ。その期待値から、高得点をマークするものと予想。ベスト3には入る?

『ストーリー・セラー』有川浩
(内容紹介)
デザイン事務所に勤める「俺」は、同僚の女性が小説を書いていることを偶然知ってしまう。「俺」はその作品に魅せられ、「彼女」のファンとなり、次いで恋人となった。最愛の人であり、好きな作家NO1である「彼女」を守ろうと「俺」は決意、その勧めに後を押されて「彼女」は新人賞に応募し、見事にプロデビューを果たす。しかし不幸なことに、「彼女」は難病に侵されてしまうのだ。複雑な思考をすることにより脳の組織が死滅していってしまうという奇病。作家という職業を持つ人間にとっては、残酷すぎる病気である(「SideA」)。もう一篇、小説家の「あたし」側から「彼」を描写した書き下ろし作品の「SideB」
を収録。
(評価)
有川浩の得意芸の一つにあま~い恋愛小説がある。本書はその範疇の作品なのだが、そこに「小説家である自分の全面肯定」ととられかねないフレーバーがかかっている点が不思議である。「彼女」が昔の文芸部仲間と思われる人間に悪質な批判記事を書かれると、「俺」は担当編集者にそのことを通告し、メインストリームで仕事をできないようにさせるのだ。「少なくとも彼らは自身の手で住む世界を狭くした」だって。こえー! こうした箇所が私は気になった。いや、俺得設定の小説を私は否定するものではない。しかしアマチュアである「彼女」の小説を読んだ「俺」が「俺、今までずっと本読んできて、君の書いた話が一番好きだと思った」と言い出すあたりは、ちょっと付いていけなかった。そういうことも世の中にはあるんだろうけどね。

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