短期的な解決方法は? って、卒業直前の人はそう聞きたいだろう。
本書には直接的な答えはない。
社会に出ていく際の“防備”、自分の“身を守る術”を持つことの重要性が語られるが、本書が解説する仕組みを深く考えることでスタートできるのは、それだけじゃない。
就職や労働の転換期で、矛盾や歪みが、若者を苦しめる。
でも、変わりつつある仕組みを根本から理解することで、矛盾や歪みを、自分の味方につけることも可能だ。
激変してるってことは、新しく興ることがたくさんあるってことだ。
就職しないで生きるヤツもたくさんいる。
無一文・無職から生活を考えることもできる。
創造性の視点から再検討することだってできる。
就職活動のルールそのものを考えること。新しい方法を自分で見つけること。働き方全体を考えること。自分たちの未来はまだ長く続くんだってことを、しっかりと感じとること。
激変し混乱している就職活動ルートに、正面から馬鹿正直に乗る必要はないんだからね。(米光一成)