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立川談志ーー天才落語家の1日を追ったドキュメンタリー

       
『赤めだか』にこのライ坊のことが出てくる。雑誌連載時、談春が洒落で、弟弟子の志らくがライ坊を虐待したら中の綿が出たので腹巻でごまかした、と書いたら、怒った談志に志らくは破門されかけた(志らくから物言いがつき、単行本では別のエピソードに差し替え済み)。そのライ坊だ。
車は、紀伊國屋楽屋口に到着する。下車してきた談志は、落語家というよりは、スタンダップ・コメディアンか、タップ・ダンサーのようだ。吉川潮が聞き手を務めた『人生成り行き 談志一代記』によれば、二つ目の小ゑん時代の談志は、隆盛だったキャバレーに出演し、荒稼ぎをしていたという。その洒落たセンスは、当時の落語家には欠けていたものだった。
――「一日だけ幸せでいたければ床屋に行くがいい。一年幸せでいたければ結婚するがいい。二年幸せでいたければ家を建てればいい」かなんか振って、「一生幸せになりたければ、おれの話を聞くがいい」とか「このキャバレーに来るがいい」てなこと言って、「グッドラック!」。グッドラックというのも極めて新しい言葉だったんです。それでもう客はワーッて。

入口のところで談志は軽くタップを踏むような動きをした。黄金時代のミュージカル映画を愛していることで知られる談志の、映画界における唯一無二のヒーローは、故・フレッド・アステアだ。アステアが亡くなった日、談志が飲み屋でヘベレケに酔っぱらって、「アステアが死んじゃったよぉ」と号泣したのを、志らくは目撃している。

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