大塚 女性パワーにかなり支えられました。今回、釘貫彩さんという若い女性の方が美術監督を担当しているんですよ。助監督、美術監督、撮影監督、制作進行ほかにも僕より若いスタッフがたくさんいてびっくりする。
鷲尾 大塚監督だってまだ30歳なんですよ。
大塚 ここ3年間、いつも映画の一番忙しい時期に誕生日を迎えてスタッフみんながお祝いしてくれました(笑)。僕もいつの間にかおっさんですよねー。でも特にメインスタッフは性別や年齢に関係なく、この人になら任せられるなと思った人に声をかけています。制作進行も助監督も1人でやりきれる人にお願いしていますし、美術も撮影もその他諸々ヘルプは入れていません。やっぱりエンディングクレジットには一枚看板で名前を載せて欲しい。自分に任された役職に対して、責任と自負を持って挑んでもらいたいんです。
――もし制作スケジュール的に間に合わない状況になった場合は?
大塚 最初に決めたメンバーで映画を作り上げるのが僕のスタンスです。自分の責務を全うできるスタッフが集まれば間に合います。もし何か問題が起きたのなら、みんなで考えて助け合えばいいんです。絶対に何か良い方法があります。大丈夫です。映画っていうのは絶対に自分ひとりでは作れません。「おれの映画」とかは口が裂けても言えませんよ。「僕らの映画」です。映画制作を3本やってなおさら思いました。