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青い薔薇、海底のウニ、ほうき星、雲……なんて美しい『鉱物見タテ図鑑』


かたや西洋には、石の紋様に風物を見る「ガマエ」の文化があった。これは日本の水石とは対象的に、紋様の中にモチーフを見出すものである。
そうした文化的要素の記述と、先に見たような博物学的知識とが混在した形で語られていく。難しいことを考えず、トリヴィアルな知識を楽しむ本として読んでもいいはずだ。

――世界最大の結晶洞窟が、2000年、メキシコ・ナイカ鉱山の地下300メートルの場所で発見された。1本が何十メートルにもおよぶ巨大結晶が100本以上林立し、直径数メートル級の“石の花”が一面に咲く驚異の景観が広がっているという。(「淡水の朝」)

――白雲母の大産地であったロシアでは、なんと永年、窓ガラスとして使っていたとか。(「地界古書」)

――幻想的に光を放つ蛍石は、物語を喚起させる力も強いのかもしれない。ジブリアニメ「天空の城ラピュタ」の飛行石や、稲垣足穂『星を売る店』のショーウィンドーに並ぶ金平糖のような石は蛍石を彷彿とさせる(略)(「天空都市」)

鉱物に思いを馳せたその夜は、きっと結晶のような夢を見ることだろう。
(杉江松恋)

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