bit

なぜ戦前の日本語は「きょう」が「けふ」になるのか

       
しかし、さらに疑問はつきない。現在では使わなくなったひらがなもある。固有名詞や高齢の方の名前にもたまに見かけるが、「ゐ、ゑ」だ。
それぞれ、「ゐ」は「い」と読み、「ゑ」は「え」と読む。これらのひらがなは「わ」行に当たり、「わゐうゑを」と並ぶのが正しい。
また、カタカナでは、ワ行の「ヰ、ヱ」という文字もあった。これもそれぞれ「ヰ」は「い」と読み、「ヱ」は「え」と読む。つまり、カタカナのワ行は「ワヰウヱヲ」なのだ。

一体どうして戦後になってこれらの文字は消えたのだろう? 押井さんに再び聞いた。
押井さんいわく、「あ行の『い・え』とわ行の『ゐ・ゑ』は、昔はそれぞれ発音が違いましたが、結局は同じ発音に変化して、書き言葉としてだけ『ゐ・ゑ』が残ったのです」。
「ゐ、ゑ」の発音って、どんな音だったのだろう? 私たちの祖先が使っていた「わ行」の発音、とても気になる。
「お」と「を」も発音ではそう違いがないが、書き言葉としては文法的にも違いがあるのは、みなさんご承知の通りだ。
つまり、「ゐ、ゑ」が消えたのは、「同じ発音なので、あ行の方だけ残して、わ行は省いちゃおう」ということのようだ。消えたかな文字が、なんとなく哀しい。

日本人の使う日本語、でも現在私たちが使っている日本語の書き言葉は、戦後に確立された新しい言語と言えないこともない。
使いやすく進化した現代の日本語に感謝しつつ、消えて廃れていった昔の日本語にも長い歴史があったことを知っておきたいし、芸術性の高い文字文化として、後世に遺していきたいとも思う。

今度、メールの文章に書いてみたくなった……。「けふは忙しいでせうか。良かつたらおちやでも行かうよ」
(河野友見 Kono Yumi)

(参考)
押井徳馬さんのサイト「はなごよみ」 http://osito.jp
文芸同人誌「正かなづかひ 理論と実践」を発売中。歴史的仮名遣いの覚え方や、戦後、現代かなづかいが告示された経緯の詳しい解説あり

あわせて読みたい

コネタの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

おもしろニュース

おもしろランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る
2011年11月29日のコネタ記事

キーワード一覧

コネタとは?

B級グルメやネットで話題のネタを徹底リサーチ! 流行トレンドをおもしろい視点と大きな写真で毎日お届け。

その他のオリジナルニュース

通知(Web Push)について

Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら。