ギョッとしてしまうかもしれないが、これも金子さん独特の人間味。今では青森や兵庫、大阪からはるばる叱咤激励を受けにやって来る人も多い。また、一度来た方とはその後に電話やメールで連絡を取り続ける。「死にたい」と電話してきた女性に「生きろ!」と思いとどまらせたこともあった。
「僕はもう、来てくれた方とは知り合いや友達だと思っていますから。『気軽に相談して来て』と言ってあげます」(金子さん)
そして同神社の斬新な試みも、金子さんの信念によるものである。
「若い人が神社に来る機会は、お正月にデートがてら訪れる程度です。今や神棚が無い家も多いですし、お宮参りをしない家庭も増えています。このままだと、段々世の中から取り残されていってしまいます」(金子さん)
若者が結婚して子供を育てていく中、どこかで神社を通じた日本の精神を残してもらいたい。そうした気持ちがあるからこその方針だった。
そして、最後に金子さんから神主らしからぬパワー溢れるメッセージを。
「人間というのは心して生きれば変われるし、運命なんて無いんです」(金子さん)
かつては自身も弱っていた時期があるからこそ行き着いた、この考え方である。何とボクシングと乗馬をこなし、ベンチプレス112.5キロを持ち上げるという、驚くほどのバイタリティに満ちた神主さんでした。
(寺西ジャジューカ)