さて、やっぱり、誰がどの戦国武将を演じているかがまず気になるところ。
柴田勝家を森崎博之(NACSのリーダー。作、演出も多く担当)、
明智光秀を大泉洋(NACSブームの立役者。スポークスマン的存在)、
徳川家康を安田顕(「SPEC」「ホタルノヒカリ」などでもおなじみの演技派)、
織田信長を戸次重幸(アニメなどにも詳しい2枚目キャラだがただひとり独身)、
羽柴秀吉を音尾琢真(いろいろ小回りが効くチーム最年少、といっても36歳)となっている。
劇団での時代劇は10年ぶりになる彼らだが、オープニング、5人が各々個性を出してスピーディーにアクションを決めるところは、アニメのオープニングみたいで一気に客席の温度が上がる。
幕開けと同時に観客を異世界へ引きずりこむ早ワザ、手練感たっぷりだ(演出、森崎リーダー)。
お話のあらましは、織田が明智軍を討ち負かして光秀を配下に、濃姫を妻に迎えることになり、そこから5人の武将がいろいろ絡み合いながら、本能寺の変まで一気に駆け進んでいくというもの。
天下統一の野望に生きる信長を軸に、光秀と濃姫の関係がフックとなってきたり家康の影武者が苦悩したりすることで、単なるチャンバラものではないメロドラマ性も加わる。客席のほとんどを占める女性たちへの当然の配慮も万全。