っていうか、そもそもなんで「6月の花嫁」なんでしょうか?
諸説あるようなのですが、有力な説としては「6月」すなわち「June」という月名が、ローマ神話の結婚をつかさどる女神ジュノーから来ているため、女神の月に結婚すれば幸せになれる、という言い伝えに由来するというもの。
現代ニッポンで当たり前のように認知されている結婚にまつわる風習のアレコレは、上記のようにヨーロッパから伝承しているものが多いのですが、さらに調べるとあるひとりの人物に行き着きます。
<白いウエディングドレスは、ヴィクトリア女王から>
現在当たり前の「白」のウエディングドレスは1840年にアルバート公との結婚式においてヴィクトリア女王が着たことから広まったものです。
当時、上流階級の結婚式では、濃い色の生地に金や銀の糸などで装飾をしたゴージャスなドレスが多く、特に色の決まりはなかったそうですが、ヴィクトリア女王は自身の「純潔」の想いを表現するために乳白色のシルクサテンで作ったドレスを着用。それが庶民に広がり、今日に続く「ウエディングドレス=白」というイメージが定着したと言われています。ヴィクトリア女王、今で言うところのファッションリーダーだったわけですね。
<ブーケを白にしたのも、ヴィクトリア女王>
結婚式のハイライトのひとつであるブーケトス。
ちなみにブーケトスは14世紀頃の英国の風習が起源とされています。結婚式の参列者が祝福にあやかりたいと、花嫁のウエディングドレスを引っ張ったりブーケの花や小物を取ったりしたので、花嫁はその予防策としてブーケを投げるようになったとか。
<豪華なウエディングケーキも、ヴィクトリア女王がキッカケ>
披露宴で忘れちゃいけないのがケーキ入刀。豪華なウエディングケーキにナイフを入れてからのファーストバイトは定番のシャッターチャンスですが、現在では一般的な豪華なウエディングケーキも、ヴィクトリア女王の婚礼に登場した3段重ねのシュガーケーキから広まったとされています。その大きさ、直径90cm、高さ30cm、重さ300ポンド。表面には人形や愛犬が砂糖で彫刻され、サイドには英国の国花であるバラの飾りや、ブーケでも使われた愛の象徴・マートルが飾られていたということです。
この“ヴィクトリア女王のウエディングケーキ”をモチーフにした展示物が、今、日本橋の高島屋で見ることが出来るのです。それが、世界にひとつしかない“プラチナ製ロイヤルウエディングケーキ”。「純潔」「純愛」を大切にしたヴィクトリア女王と同様、プラチナも永遠に白い輝きを失わない素材であり、不変の愛の象徴としてブライダル・ジュエリーで最も選ばれている貴金属です。
このプラチナ製ロイヤルウエディングケーキは、プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関であるプラチナ・ギルド・インターナショナルが製作したもので、ヴィクトリア女王のウエディングケーキと同様、樹脂製のケーキの土台にはマートルの花の飾りが施され、側面にはプラチナで象られた36個のバラの花が装飾されています。プラチナという貴金属は柔軟性に優れた素材でデザインの自由度が高いのが特徴。その素材特性を生かして花びらの1枚1枚を繊細に表現しているのが見どころです。
そして、側面を飾るチェーンは、表面に細かな加工が施されたプラチナのボールパーツや細いチェーンを組み、レースの様に繊細に作り上げられています。使ったプラチナの量、なんと400g。
そもそも結婚式にウエディングケーキが出るようになった起源のひとつとして、当時貴重な存在であった砂糖を振る舞い、豊かさと繁栄と幸福のシンボルとしてこれから新しい人生を歩む2人の門出を祝う、という説があります。現代における貴重な存在であるプラチナで作ったこのウエディングケーキは、豊かさと繁栄と幸福のシンボルとしてふさわしい存在。
もちろん買えないけどさ、見るだけでなぜかちょっと幸せな気分になれますよ。
※プラチナ製ロイヤルウエディングケーキは日本橋高島屋で6月12日まで公開中。
(オグマナオト)