
蔓延する「ほめよ、叱るな」教育
「叱って育てる」教育の復権
教師向けの雑誌『総合教育技術』06月号の特集タイトルだ。
“子どもたちの将来、ひいてはこの国の未来のためにも、行き過ぎた「叱らない」教育を正し、悪循環を断ち切る必要がある。今こそ、教師たちは叱ることの真の意味を理解すべきであり、現代に即した「叱って育てる」教育が求められている。”
と、勇ましい巻頭提言ではじまる。
「現場教師ホンネ座談会」は、小学校教諭4人の座談。
ホンネ座談会だけあって、愚痴っぽい感じ満載である。
“私自身、若いときには机をひっくり返したり、ゴミ箱を投げたり、「いい加減にしろ」と怒鳴ったこともあります。若いときには勢いで叱ってもいいと思う。”
小学生相手に、机ひっくり返して怒鳴るのは「叱る」って範囲なの!? と驚きながら読む。同時に、いやいや、現場はたいへんなんだろうなとも思いながら。
“一つは泣く。「泣いたって終わらないんだよ。次どうする?」と続くので、泣いてくれると次の手が打ちやすいですね。”
とか、なかなか過激な発言が、わりとふつーの感じで出てくる。
“最近の子どもたちを見ていて思うのは、自意識過剰な子が多いということですね。「僕は何でもできるもん」「私は何でも知ってるもん」みたいな子が多いと思います。それで「それは違うだろう」とガツンと叱るとめげちゃうんです。打たれ弱いんですね。それから、プライドが高い。素直に事実を認めない。それがそのまま教員になって厄介な初任者になる(笑)。”