2000年シドニーパラリンピックから、国内外における障がい者スポーツの取材に携わり、記事や写真を配信し続けるMA SPORTSの代表者でありライターの荒木美晴さんに話を聞いた。
競技取材は、ライターの荒木さんや同じ志を持つ仲間が行う。障がい者スポーツに対して取材依頼をするメディア媒体は皆無に近いため、交通費・宿泊費ともに当たり前のように自腹だ。それでも、日本国内に限らずアメリカやチェコ、カナダなどの世界大会にも足を運ぶ。
荒木さんは「サッカーや野球を見るのと同じ感覚。オリンピックと同様、パラリンピックを『スポーツ』として見てもらいたい。頂点を目指しているアスリートを見ると、力がもらえる」と話す。昔からスポーツを見るのが好き。障がい者のためのスポーツ、健常者が競技するスポーツと分け隔てなく、純粋に応援したいという思いが荒木さんの原動力だ。
元々、OLをしていたという荒木さんがスポーツライターへと転身するきっかけとなったのは、1998年、長野パラリンピックで観戦したアイススレッジホッケーだった。生で観戦したアイススレッジホッケーに魅せられ、その迫力に心を打ち抜かれた。「障がい者スポーツ」という概念はその迫力に吹き飛ばされ、このような競技を純粋に「スポーツ」として伝えたいと思ったという。