いかにしてそれを3人の能力で退けるか、丁寧に計算されてマンガになっているので、これが仮に普通の絵柄でもかなり面白いでしょう。
でもやっぱり、水木絵だからいいんですよ。一切悪ふざけなくまじめに描かれていることで、水木絵のもつ昭和の味と、物語のもつ21世紀の味が融合した、全く新しいテイストの漫画が誕生したのです。
水木絵パロだと思わず、「水木しげる」という言語だと思って読むと、すんなり飲み込めるはずです。

個人的な見所は、ヒロイン二人とイクオのラブコメディ部分でしょうか。
一読目はこの絵柄で描かれたお風呂シーンやパンツ見えそうなシーンでついゲラゲラ笑ってしまうんですが、二回目に読むとヒロイン二人がめちゃくちゃかわいく見えるんです。びっくりしますよこれ。
七星も中神先輩も超かわいいです。ガチンコで描いているから、こっちが引きこまれてしまう。それがドリヤス工場のテクニック。視点が水木風ドリヤス工場ワールドに飲み込まれてしまいます。

ある意味、作者ドリヤス工場は、水木しげるタッチに物語を置き換える能力者(カテゴライズド)。
さて、今回は一巻目ということで、びっくり加点がどうしてもありますが、今後この作風が受け入れられるか否かは作者の腕にかかっています。これが2巻3巻と面白くなっていったら、ちょっととんでもないことですよ。


ドリヤス工場 『あやかし古書庫と少女の魅宝』

(たまごまご)