ママは何かと大変。妊娠したときから体型は変わるし、ヒールも履けない。
産まれたら産まれたで子どもから一時も目は離せないわ、いつも大きな荷物を持ち歩かなきゃいけないわでテンヤワンヤ。

それでもオシャレには気を配り続けたいのがオンナ心。お気に入りのアイテムを身にまとうだけで、目の廻るような日常もちょっとだけ華やいで気分もアガってくる。

でもファッション誌をチェックする暇なんてないの!という人に嬉しいイラストエッセー本が登場した。その名も『ママのためのおしゃれの教科書』

「女性は妊娠・出産でローヒールしか履けなくなるだけで“オンナ度”が下がったような気持ちになっちゃうんです」

著者の柴崎マイさんは語る。
自身4歳の女の子の母親である柴崎さんが、自らの経験を生かして書いた本書では役に立つアドバイスが満載だ。

「産後の体型の戻らないときでも、ジーンズの裾を捲ってあげて足首を見せてあげることによってローヒールでもスタイルはよく見えます。そういうちょっとしたことで気持ちが大きく変わってくるんですよ」

その他にもトレンドアイテムとの上手な付き合い方、ベビーカー・抱っこ紐に似合うコーデ、お金のかけどころ抜きどころ、学校行事に着て行く洋服の上手な着まわしなど実践的なTIPSを実際のブランド名なども交えながら紹介している。

そしてそれらを一層引き立てるのが添えられているオシャレなイラストだ。イラストレーターである柴崎さん自身の手によって描かれたものだ。

「二子玉川や自由が丘、湘南等に出かけて実際にスケッチをしました。
街でステキだなぁと思うママたちの生きたファッションを見て、なんでオシャレに見えるのだろうと考えると色々と見えてくるんです」

読者がリアルに参考にできるようにすべてのイラストは絵の具や色鉛筆、絵の具を使ったオールカラー、オールペインティングで仕上げている。かなりの手が掛かっているが、これだけ手のこんだ本を作ろうと思ったきっかけは何だったのだろうか。

「ママになるとそれまでと同じ生き方がなかなかできなくなって、どう生きればいいか悩む人が多いんです」

特に妊娠・出産を機に仕事を辞める女性は、社会とのつながりを失ったような感覚に陥り、一種のアイデンティティークライシスを起こすことがあるという。

ママとしての"新しい自分"にならなければと焦りながらも、自分がどのようになりたいかわからないで苦しむ女性に、ファッションを通じて新しい自分を発見する手助けをしたいと柴崎さんはいう。

「ファッションって潜在的願望を表します。”いいなぁ”と思うファッションは、無意識にこれからの自分に相応しいものを選んでいることが多いんです。
この本でそういうものを見つけて、なりたいママ像を見つけ出してくれたら嬉しいですね」

たかがオシャレ、されどオシャレ。オシャレでママたちをハッピーに!
(鶴賀太郎)