なんつーかさー。
子供の頃見てたアニメが今になってアンソロ化されるとか、そのことに驚愕と感激ですよ!
「ふしぎの海のナディア コミックアンソロジー」は、角川ヤングエースから出された、完全まるまる一冊、ナディアのコミックアンソロです。

 
確かに今再放送やってますし、ちょっと前にブルーレイボックス完全版でました。コンプリートサウンドコレクションも出されて、今まさに旬という感じで盛り上がっています。
盛り上がっていますけどさあ。
ナディア放映されたの、1990年ですよ。
22年前ですよ!
22年前のアニメのアンソロジー出るとか、最初聞いてびっくりしましたよ。90年っていったら『ちびまる子ちゃん』放映開始の年ですからね。
『ドラクエ4』が出た年ですよ。スーパーファミコン発売の年ですよ。
いくら再放送やったからって、アンソロジーが出されて売れるって、ちょっと異常です。

Twitterを見ていると、ナディア再放送タイムはみんな元気です。かなりの人が見ています。
見ている層は二つにわかれます。

初めて見る層。リアルタイムで見ていた層。(後からビデオでみた層も多少いますが)
22年前ですから、今二十歳の人は生まれてないですものね。
30前後だと最も多感な思春期にナディアを見てしまい、心にぐっさり傷を負ったり、性に目覚めたり、アニメに感動したり、性に目覚めたりしたことでしょう。

アンソロの作家陣はさすがよくわかっていて、めちゃくちゃ濃いネタが多いです。
中心になっているナディアやジャン、ネモ船長やグランディス一家はちゃんと出ています。
もちろんです。
でもまさかハマハマとかイリオンとか出るなんて思いもしないですよ。
それネタマニアックすぎるよ!
当然のように、最終回ネタバレあり。
そりゃねー、22年もたてば、ネタも熟成されつくした上でさらに熟成してすっかりチーズ状態ですよ。
なので、ナディアを昔から知っていて、いろいろ経験して大人になって、懐かしめる人向けの作品集になっています。
多分当時なら、こういうネタはパロディでやらなかったんだろうなーというのも幾つかあります。

逆に、当時のままのノリのパロディもあって、これも楽しい。

あとがきが面白いんですよ。
「ナディアといえば島編ですよね」「くさった缶詰ロケット!」「南の島変の弾けっぷりが堪りません」「島編が好きなナイロンでした」
ちょっと。
みんなどんだけ島編好きなの。

解説:「島編」とは、23話からナディア達が無人島に漂着して、全くストーリー本編にかかわらないドタバタを繰り返すパートのこと。逼迫した制作スケジュールを確保し、ラストのクオリティを保つため、アニメーターのほとんどをクライマックスにまわし、島編は外注で制作。
監督も庵野秀明ではなく樋口真嗣。絵のクオリティが低く、34話などはあまりにひどすぎて庵野秀明が自腹を切って作りなおしたほど。しかし同時に物語の重さから解放されたように凄まじいテンションで進行もしているため、島編が好きなファンは密かに……いやかなり多い。僕も大好き。ナディアすごいエロいし。

加えてあとがきで年齢がわかるのも面白い。

「当時は幼児だったので」「小学生時代に観てた」「当時、二次創作漫画を描こうとして挫折」
22年の歳月の間に、これらの作家さんがプロになった、というのはなんだか感慨深いです。
まさか小学生の頃、22年後にナディアのアンソロジー描くなんて思いもしないでしょうよ。

これだけの歳月を経て、新鮮に楽しめる作品ってのは本当に貴重です。
シリアスなストーリー的な部分もそうですが、当時なかった「萌え」の部分も含めて。
今回改めて読んでいて思ったのはガーゴイル様って萌えキャラだなあということでした。

それにしても、イコリーナさんの出番少なすぎませんかね。

「ふしぎの海のナディア コミックアンソロジー」
(たまごまご)