『IDOL DANCE!!!〜歌って踊るカワイイ女の子がいる限り世界は楽しい〜』は、ダンスの切り口からアイドルを解説した本。
アイドルダンスには二大特徴がある。それは、歌詞と振付がリンクしていること。そして、振りコピ(お客さんが振付を真似して踊る)を前提とする客席参加型であること。
歌詞は振付とリンクするだけでなく、歌詞から物語をふくらませて表現することも可能だ。
例えばバレンタインソングであるPerfumeの『チョコレイト・ディスコ』。歌詞にはチョコレートを手作りする描写はないが、間奏のときに、泡立て器でボウルをかきまぜる動きがある。
“こうした表現の全てが観ている人達に伝わるわけではないと思いますが、楽曲の世界観を細かく想像しダンスで表現することは、演者であるアイドル自身の表情や表現力を豊かにするための大切な一工程だと考えています”
著者は、ガールズロックユニットPASSPO☆や、元ハロプロエッグの子たちを集めたアップアップガールズ(仮)の振付を担当している竹中夏海さん。
ブログで映画『のぼうの城』をアイドル映画と読み解き、のぼうが命をかけて敵兵の前で舞い、敵兵たちが自然に踊りだすシーンを「アイドルと振りコピするファンの図だ」と言うくらいアイドルダンスのことばかり考えている。