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赤字だらけのプロ野球経営を斬る『日本プロ野球改造論』

日本プロ野球が抱える問題は、日本の産業界が抱える問題と同義である、と説くのは並木裕太著『日本プロ野球改造論』。北海道日本ハムファイターズ、東北楽天ゴールデンイーグルスのアドバイザーも務める経営コンサルタントが、日本球界に改革を迫る一冊だ。


【メジャーと日本、収益格差は約4倍】
本書では、メジャーリーグ(MLB)の経営内容や改革の経過、市場規模などと比較しながら、日本のプロ野球界(主にNPB)がいかに「ビジネス」として問題点を抱えているかを列挙していく。

例えば、MLBとNPBの総収益の違い。
約15年前の1995年。NPBの総収益が1400億円だったのに対し、MLBのそれは日本よりも下回っていた。しかし、15年たった2010年で比較すると、日本がほぼ横ばいであるのに対し、MLBの総収益は約5500億円(66億ドル)と、4倍もの額に増えているのだ(※1ドル80円で換算した場合)。
1995年といえば、野茂英雄が日本を飛び出し、MLBへ挑戦した年。MLBはこの前年から続いていたストライキの影響などで人気低迷が叫ばれていたのだが、NOMOフィーバーを巧みに利用し、また、以降様々な改革(チーム数の増加・移転、交流戦・ワイルドカード枠の創設など)を立て続けに実行することで人気を回復。その経営努力の結果が4倍もの市場価値を作り上げたということになる。

一方の日本。野茂の流出を指をくわえて見ていただけで改革も何もぜす、その後スター選手が次々と渡米。挙げ句、近鉄・オリックスの合併騒動で1リーグ化への動きが起こり、史上初のストライキに発展したことなどは皆さんご存知の通り。まさにNOMO以前・以後で日米の野球人気・野球ビジネスの明と暗が見事に入れ替わったことがよくわかる。

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