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赤字だらけのプロ野球経営を斬る『日本プロ野球改造論』

【「リーグビジネス」か「チームビジネス」か】
その原因の根本にあるのが、「リーグビジネス」を前提とするMLBに対し、「チームビジネス」にこだわるNPBという図式にあることを本書では指摘する。
「リーグビジネス」であるからこそMLB30球団で同じ施策を実施し、問題点の共有や経費の節約ができるMLBに対し、12球団それぞれが「チームビジネス」を展開することで横の連携が取れず、相乗効果を生み出せていないのがNPBだという。
また、「リーグビジネス」だからこそ戦力均衡を目指すMLBと、「チームビジネス」を優先するからドラフト改革などが進まず、自分のチームさえ強くなればいいというNPB、という図式ともからんでくる。

近年、日本のプロ野球でも、「パ・リーグ」においてはこの現状に危機感を憶え、昨年から「パ・リーグTV」を開設して初年度から4億円近い売上げを記録。また、日本ハム以外のパ・リーグ5球団は独自にスタジアムの運営を行って「スタジアムビジネス」を展開するなど、MLBに倣って「リーグビジネス」としての新機軸を打ち出している。一方のセ・リーグ、例えば人気球団の巨人にしても、東京ドームに掲出されている広告費は一切「巨人軍」には入らず、東京ドームの収益にしかなっていない現状を列挙。これらをもって「放映権のセ、スタジアムのパ」「巨人頼みのセ、危機感のパ」と評しているのが非常に示唆に富む。


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