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赤字だらけのプロ野球経営を斬る『日本プロ野球改造論』

著者はこれらの問題点を列挙するだけでなく、実際にオーナー会議の場においても「日米野球界の経営事情」についてプレゼンテーションを行っている。
・15年間で収益格差が4倍に開いたこと
・MLBでは、リーグビジネスという手法で各球団が共存共栄を果たしていること。
・ITを駆使して新しいビジネスの種を育てていること
こうした問題点と改革テーマをプレゼンしても、その会議に参加したオーナーのほとんどが冷めた反応で、コミッショナーからも何の質問もコメントもなかったという。

《オーナーの方々は、「今も日本のプロ野球人気は盤石だ。新聞に書くニュースも毎日ある。球場に足を運ぶ鉄道の乗客もたくさんいる」ぐらいに考えているのでしょう。親会社にぶら下がっているから、本気で改革を考えないのです》

しかし、トップの意識が甘い一方で、現場で働く人間は危機感を覚え、MLBに倣って改革に着手し始めているのがせめてもの光明だ。
本書では、北海道日本ハム、横浜DeNA、東北楽天という、近年球団改革に乗り出し、着実に芽が出てきた3球団の現場担当者にインタビューし、現状の取り組みや課題・問題点を聞き出している。それらの話から浮かび上がってくるのが、あえて自ら競合を作り、ビジネス規模を拡大していくMLBに対し、これまでの日本球界では「競合が何か」ということすらも自覚できず、さらには「プロ野球全体としての利益をどう考えるか」という視点もない点だ。

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