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赤字だらけのプロ野球経営を斬る『日本プロ野球改造論』


野球の競合、と聞くとすぐにサッカーや相撲など他のスポーツに目が行きがちだが、「エンターテイメント」という括りで見れば、映画やテレビ、音楽などももちろん競合になってくると指摘する。

《たとえばディズニーランドの1デーパスポートは6000円くらいですよね。それに対してプロ野球のSS席5000円というのは時間に換算したらどうなのでしょう。映画が2時間で1800円なら、1時間あたり1500円くらいが妥当なのでは、といったことも最近よく考えますよね》
これは昨年プロ野球に参入した横浜DeNAのマーケティング室長の言葉。また東北楽天にしても「プロ野球経営にかかわってみて、ビジネスとして参考になるのがAKB」と語るなど、他分野から参入してきた人間や組織が新しい視点を持ち出さなければ、日本球界は変わらない、ということを暗に示してもいる。

本書では他にも、五輪ビジネスと野球ビジネスの比較、韓国野球の人気復活から見えてくる日本×韓国産業界の勢いの差、WBCの収益構造など、「野球とビジネス」というテーマで多方面から考察・検証されていく。
プロ野球が開幕した今だからこそ、「球春」という言葉に浮かれず、野球界の問題点に目を向けてみる絶好の機会であるハズだ。『日本プロ野球改造論』はそのため最適な一冊である。
(オグマナオト)

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