(前編はこちら)
《やりながら進化できる余地を残した強み》
─── TBSラジオ・夜の10時と言えば「バトルトークラジオ・アクセス」「ニュース探究ラジオDig」と続く、“ニュース系討論番組”の枠だと思います。だからこそ継承したいこと、反対に、変えていきたいことは何でしょうか?
荻上 ひとつは、「マスメディアではできない議論。でも、ここでなら聴ける」という期待感ですよね。実は僕、ラジオって「マスメディア」とは位置づけていなくて、「メゾメディア」と勝手に呼んでいるんです。
─── メゾメディア?
荻上 中くらいのメディアってことですね。規模が違うんです。新聞であれば、一時期「1千万部」とうたってましたけど、数百万人単位に届くメディア。テレビもそうですよね。例えば「サッカー中継が40%」となったら、もう数千万人が見ているわけですよ。でも、ラジオや雑誌ではそんなこと絶対ないんですよね。新書で「ベストセラー100万部、スゲー!」と言ったって、いわばたかだか100万部。テレビや新聞であれば、常に数百万人相手に勝負をし続けているわけです。だからこそ、「中規模なメディア」として、マスのテレビや新聞ではない発信の仕方を考えなきゃいけない。ラジオ、雑誌、それから大手のウェブメディアは、そういう課題を持っています。それともうひとつは、やっぱりインタラクティブ性です。