じゃあゾンビじゃなくて「解放」されただけじゃないか?と思ったりもするのですが、そうではないことを一人のキャラが描き出します。
鷹丸の元カノで、上巻表紙で祈りを捧げている少女原口真紀。彼女もまた、噛み付かれてしまい、感染した一人です。
真紀は鷹丸と別れたことは理解していましたし、その上で仲良くしていたのですが、噛み付かれて「鷹丸のことまだ好きなの」「こんなに素直になれたの初めて」と幸せそうに鷹丸の脳みそを狙うんです。
赤面しながら、背景に点描の幸せマーク背負いながら、頭を割りにかかる少女の図ってすごいですよ。
ここだけ見ていると、ゾンビ化していないように見えますが、彼女の頭は既に噛み砕かれていて脳が丸見えです。
事故で割れたガラスの中に頭をつっこんでしまい、喉元に深々とガラスも刺さります。
逃げまわる鷹丸を追って、体中にガラスの破片が突き刺さります。
それでも動く。
やはりゾンビなんです。
一見感情が解放しただけに見えますが、解放された感情に忠実に動くために他に何も見えなくなり、半分不死状態になっています。
逃げながら真紀やみんなを救う方法を考えようと、鷹丸と、真紀の親友葛木ひばりが、閉ざされた空間である学校を奔走する物語です。